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タクマ技報 VOL.28NO.2(2020年12月発行)

表紙写真:宮津与謝クリーンセンター
タクマ技報 VOL.28NO.2(2020年12月発行)

巻頭論説

明治期におけるコレラの蔓延と下水道をめぐる状況

解説

肥料取締制度改正の概要
松田 由美*
(*東京技術企画部)

(要約)

農林水産省では「肥料取締法」の見直しがおこなわれ,2019 年12 月「肥料取締法の一部を改正する法律」が成立した。「肥料取締法」から「肥料の品質の確保等に関する法律」に名称変更されるほか,配合ルールの緩和や表示ルールの変更など大幅な改定がおこなわれた。背景として,農地における地力の低下や土壌バランスの変化があり,土づくりに役立つ,かつ農家のニーズに応じた柔軟な肥料生産を促進することが狙いである。改正内容は強化と緩和に大別され,強化は原材料の偽装表示を防止する「肥料の原料管理制度の導入」,緩和は自由な配合を可能とする「肥料の配合に係る規制の見直し」である。配合ルールの緩和により,ニーズに応じた様々な肥料生産が可能となり,低コストで土壌改善ができるようになる。これにより,木質バイオマス発電の燃焼灰といった産業副産物由来の利用拡大が期待される。

タクマにおけるアナモックス研究開発の沿革
高木 啓太*・岸 研吾*・芹澤 佳代*・株丹 直樹
(*水処理技術部)

(要約)

アナモックスは水処理における次世代の生物学的窒素除去技術として近年大きな注目を集めている。当初から「画期的」と称されたこのアナモックス反応が発見されて約30 年が経過し,当社でも長きにわたりアナモックス反応を利用した窒素除去プロセスの研究開発・実用化に取り組んできた。これまで社内外の多くの方々の支援,指導を得て,当社独自のアナモックス技術を確立することができた。本技術は,水質改善,省エネルギー,低環境負荷など,当社が積極的に取り組むSDGs の達成に資するものであり,このSDGs 達成に貢献できる技術を実用化し社会に提供することは企業の責務であると考える。本稿では,当社において実施してきたアナモックスに関するラボスケールでの基礎研究から近年の国土交通省の実規模実証事業に至るまでの取り組みについて記述する。

報告

宮津与謝クリーンセンター運転報告
小北 浩司*
(*環境技術3部)

(要約)

2020 年6 月に宮津与謝クリーンセンターが竣工した。本施設は,京都府北部に位置する宮津市,伊根町および与謝野町のごみ処理をおこなうための施設であり,エネルギー回収型廃棄物処理施設(メタンガス化施設+ごみ焼却施設) とマテリアルリサイクル推進施設から構成されている。メタンガス化施設では,燃やすごみより機械選別して得た発酵対象ごみをメタン発酵し,発生したメタンガスを回収,ガス発電機の燃料として使用する。発電により得られた電力のうち,メタン発酵設備と発電設備の消費電力を除いた電力は固定価格買取制度を利用して外部へ売電している。
 本稿では,施設概要と運転状況について報告する。

ごみ処理施設におけるAI を活用した燃焼の自動安定化技術の開発(第二報)
藤本 祐希*・井藤 宗親*
(*環境技術1部)

(要約)

これからのごみ処理施設は,少子高齢化・労働人口減少にともなう人材不足に対応しつつ,従来通り適切なごみ処理を継続しなければならない。当社は施設運転の更なる自動化に取り組むことによって,この課題の解決を目指している。その1 つとして,熟練運転員と同様に,燃焼異常とその異常を回避するために必要な手動操作を,焼却炉内の燃焼画像や運転データをもとに予測するAI システムを開発した。既報では,AI システムの予測性能や学習機能の効果を確認したが,本稿では,AI システムからの予測結果を活用した自動燃焼制御の実証試験結果について報告する。AI システムからの予測結果を活用した自動運転を実施することで,焼却炉における運転員の手動操作をほぼ不要とすることができた。また,運転員が操作した場合と同等の燃焼安定性能を確認した。

RPF コジェネレーション設備の納入報告
小野 徳重*・和田 昇大*
(*エネルギー技術1部)

(要約)

近年の地球温暖化防止の観点から,循環型社会の実現を目指した法体制が急速に整備され,環境規制の強化や省エネルギー設備導入に向けた支援事業が推進されている。このような背景の中,当社は工場内で使用する蒸気と電力を供給することを目的として,燃料にRPF を用いたコジェネレーション設備をA 社へ納入した。本稿では,RPF コジェネレーション設備の概要を紹介するとともに,その運転結果について報告する。

消石灰のオンサイト製造技術の開発(その2)
木下 亮*・西澤 秀幸*・工藤 隆行**
(*技術開発部、**環境技術1部)

(要約)

排ガスに含まれる酸性ガス(HCl,SOx) 除去に要する薬剤の費用低減を目的として,オンサイトで生石灰(CaO) から消石灰(Ca(OH)2) を製造する技術を開発した。30kg/h の消石灰製造能力を持つ実証設備を製作し,生石灰より消石灰の製造・粉砕・貯留・供給までの一連の流れでの実証試験をおこなった。消化水供給量を適正とした運転条件にした上で,生石灰と消化水を消化機内部で十分な時間をかけて混合攪拌し,消化反応および乾燥を促進させたことで,含水率が市販のJIS 特号消石灰と同等で,BET 比表面積および細孔容積が市販のJIS 特号消石灰と同等以上の品質の消石灰を製造することができた。さらに,消化水に有機系薬剤を添加することで,市販の高反応消石灰と同等の酸性ガスの除去性能を有する消石灰を製造することができた。

海外視察

北欧廃棄物利用エネルギー供給施設調査報告

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