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タクマ技報 VOL.8NO.1(2000年06月発行)

表紙写真:浦和市クリーンセンター大崎
タクマ技報 VOL.8NO.1(2000年06月発行)

巻頭論説

資源循環型社会実現の技術開発

解説

RE-THERM RL回転式蓄熱脱臭装置
中原 伸一
(新エネ・環境本部 エネルギー技術部 技術第1課)

(要約)

蓄熱脱臭装置は燃焼方式の脱臭装置であり、処理物質が酸化分解された後の高温クリーンガスのもつ熱エネルギーの回収と再利用、および処理物質の脱臭にセラミック媒体を採用することにより、高脱臭効率、省エネルギー、および低環境負荷を実現させた装置である。

中でも、当社が1998年より販売している回転式蓄熱脱臭装置RE-THERM RL は、従来タイプに比べて非常にコンパクトかつ低コストとなっており、今日の需要に見合う装置となっているのが特徴である。

蓄熱脱臭装置の経済性を示す指標の一つとして温度効率があるが、蓄熱脱臭装置では、この温度効率が最高95%にも達する。(従来の直燃脱臭装置だと60%程度。)

RE-THER RLは、バーナーを装備する燃焼室、蓄熱体が充填された蓄熱室(全12室)、ガスの流れ方向を制御する1台の回転弁、および通風機能を担う主押込ファンなどで構成される。

報告

バイオアッセイによる下水処理水の高度処理法の評価
宍田 健一*・煙崎 正之*・山田 春美**・小坂 浩司**・滝上 英孝**
松田 知成**・清水 芳久**・松井 三郎**
(*水処理技術第1部、**京都大学大学院工学研究科附属環境質制御研究センター)

(要約)

近年生殖阻害や変異原性の発現などに代表される微量汚染化学物質が注目を集めており、この微量汚染物質に関する問題は、下水を再利用する場合にもそれらの用途によっては無視できない問題となる。そこで本研究では、膜処理法および促進酸化処理法の一種であるオゾン/過酸化水素処理法について、流域下水道の下水処理場内にパイロットプラントを設置し、微量汚染物質の処理特性を評価する際に毒性や変異原性を相対的に評価するスクリーニング手法として有効なバイオアッセイを用いて評価した。バイオアッセイとしては、急性毒性試験としてMicrotox test,変異原性試験としてAmes test,umu test,rec-assay,内分泌攪乱化学物質に関する試験としてELISA,yeast estrogen screenを用いて評価し、いずれの場合もRO膜処理およびオゾン/過酸化水素処理において処理効果が高いことが認められた。

家電リサイクルシステムについて
河村 公平
(新エネ・環境本部 事業推進部 営業企画課)

(要約)

粗大ごみ処理施設では、使用済家電の中に含まれるコンプレッサ、モータなどのいわゆる金属塊が人手により除去された後に破砕機へ投入されるものがほとんどである。そこで家電リサイクル法の成立以前からこれらの金属塊を機械的に分解、除去することができる「粗破砕機」の開発をおこなっていた。法律の成立にともないこの「粗破砕機」を用いることによる省略化および有価物の回収率の向上、「廃棄物焼却炉」を併設することによるフロンの高度分解および二次廃棄物の無害化を可能にした家電リサイクルシステムを開発したのでその内容について述べる。

リサイクルプラザの運転結果報告-南宇和衛生事務組合環境衛生センター-
樋口 直樹
(プラント建設統括本部 装置設計部 第1課)

(要約)

愛媛県南宇和郡において、1995年に公布、施工が開始された「容器包装の分別収集および再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」に対応した施設として、南宇和衛生事務組合殿より受注、1998年2月より着工を開始したリサイクルプラザが試運転・性能試験の完了を経て、1999年11月26日、竣工となった。

リサイクルプラザは施設規模12t/5hであり、粗大ごみ処理として2ライン(可燃性および不燃性粗大ごみ用)と、手選別ラインの3ラインにより構成されている。手選別ライン上ではカレット(透明・茶・その他)やペットボトル、紙製容器、トレイなどが資源として回収できるものとなっており、ペットボトル、紙製容器、トレイについては、圧縮・減容・梱包が可能なようにそれぞれ専用の機械が設置されている。

以上のようなリサイクルプラザについて、概要や運転結果を報告する。

浄化槽汚泥処理に対応したし尿処理プロセス(JAXシステム)の開発
馬場 淳一*・村山 壞治*・安宅 敏治**
(*水処理技術第1部、**水処理技術第2部)

(要約)

近年し尿処理施設において、浄化槽のトイレの水洗化や、生活排水処理のための合併処理浄化槽の普及が進められ、浄化槽汚泥の搬入の比率が高まってきた。その浄化槽汚泥の特徴として、し尿と比較して水質の変動が大きいこと、および生活排水由来の油分が多いことなどがあげられる。

このような状況のもと、生物処理の安定化および維持管理費の低減化を図るため、2種類の凝集剤を用いて凝集曝気および沈降分離を行う前反応工程を最大の特徴とする、浄化槽汚泥対応型し尿処理プロセス(JAXシステム)の開発を三井造船エンジニアリング(株)等の5社共同で行い、1999年8月に(財)廃棄物研究財団の技術評価を取得した。本報では開発にともない実施した実証試験の結果を概説する。

学会報告

エネルギー負荷平準化に関する欧州調査に参加して

新製品紹介

「TCP 30」マイクロタービンコージェネパッケージ

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