(要約)
一般廃棄物の破砕資源化施設における処理技術は,たたみ,ふとん,家具等の可燃性粗大ごみの焼却炉内へのスムーズな供給を目的に破砕機を主とする破砕施設から始まり、高度経済成長に伴い大量消費・大量廃棄の時代への移行により再資源化および最終処分の減量化に向けた選別技術が構築されてきた。さらに、各種リサイクル法等の制定による分別収集に伴い,処理系統の多様化とともに新たな処理技術が導入されてきた。また,廃棄物の発生抑制等を目的に地域住民への啓発等の設備も整備されている。本稿は,これらの破砕選別技術等の変遷と動向についてまとめたものである。
(要約)
2010年3月に吹田市殿にごみ焼却プラントを納入した。
本施設では廃棄物の焼却の際に発生する熱を積極的に回収し、廃棄物発電を行うと共に、その電力を利用してアーク溶融炉で焼却主灰および焼却飛灰を溶融処理している。
約6ヶ月間の試運転を行い、性能試験では焼却設備、溶融設備とも各設計能力を満足し、排ガス測定値、溶融スラグ溶出試験値も十分に基準を満足するものであった。
(要約)
下水道の普及拡充にともない、汚泥処理施設の建設費用、維持管理費用、温暖化防止をはじめとする地球環境保全を意識した安価でより効率的な処理システムの構築が望まれている。
従来の汚泥処理では、生汚泥は重力濃縮、余剰汚泥は遠心濃縮し、それぞれの濃縮汚泥を混合した後、遠心脱水する処理システムが多く採用されてきた。それに対し、筆者らは省エネルギー・低コストかつ省スペースな汚泥処理システムとして、混合生汚泥を回転ドラム型濃縮機と高効率型圧入式スクリュープレス脱水機(㈱石垣製)を用いて、濃縮・脱水するシステムの評価をおこなった。
その結果、本処理システムが従来処理システムと同等以上の性能を発揮することが明らかとなり、電力費用、薬品費用は60~70%、CO2排出量は30~50%削減できることが明らかとなった。なお、本報告は東京都下水道局殿との共同研究の成果である。
(要約)
環境省地球温暖化対策技術開発事業「京都バイオサイクルプロジェクト」の一環として、BDF製造過程での副生グリセリン廃液の有効利用を図るため、副生グリセリンのバイオガス回収確認試験および副生グリセリン受入投入システムの安全性確認試験を行った。
副生グリセリン・生ごみ混合原料(副生グリセリン混合比約4%)の高温乾式メタン発酵連続運転を行い、基礎研究で得られた値1,080m3N/ton-副生グリセリンとほぼ同等の1,140m3N/ton-副生グリセリンのバイオガス量発生を確認した。またラボ試験およびフィールドテストにより、副生グリセリンを2倍希釈することで、40℃で保管した際に揮散ガス中の可燃成分濃度は爆発限界に達せず、副生グリセリン受入時の濃度変動を考慮しても安全な運転が可能であることを確認した。
(要約)
木質燃料をはじめとしたバイオマス燃料を使用するボイラの建設、運転が盛んに行われている一方で、近年では木質燃料の需要増加に伴い燃料の確保が困難な状況となっている。これらバイオマス燃料および化石燃料の代替としてRPFが注目されている。
本稿では、2009年7月に石川県にある加賀製紙株式会社殿に納入したRPF燃料流動層ボイラプラントの計画概要および運転結果について報告する。本プラントは、RPFを燃料として熱電併給を行うシステムであり、性能試験においては良好な燃焼状態を実現し、設計通りの能力を発揮することを確認できた。また、排ガス、焼却灰をはじめ公害関係の規制値もクリアできることを確認した。
(要約)
小規模分散型バイオマスエネルギーの用途拡大のため、バイオマスガス化・メタノール合成システムの構築を目的として、新規の高効率メタノール合成反応器および低温高活性メタノール合成触媒を開発した。
銅・亜鉛系の触媒において、銅の分散性および触媒の熱伝導性の向上を図ることによって、200℃程度の低温条件でも高い活性を有し、かつ耐久性の高い触媒とすることができた。
本開発触媒を用いた実証試験での性能確認試験を行った結果、1ヶ月の連続運転において安定したメタノール収量が得られ、触媒の性能低下も認められなかった。
(要約)
インターネットを利用して総合的に運転支援を行う「総合運転支援(TIPLOS†)システム」は、2004年4月に運用を開始してから2010年3月現在で国内10施設、海外1施設と接続している。
前回の報告では本システムの機能について報告したが、今回はシステムの運用事例として、Web画面監視、ITV画面監視、警報監視を主とする運転状況監視や報告解析業務の紹介、今後の課題としてDBO事業に対する支援について提案する。
†TIPLOS:Takuma Intelligent Plant Observation System の略
(要約)
地球温暖化防止のためにCO2排出量削減に向けた種々の取り組みが実施される中、化石燃料の中で環境性に優れた天然ガスを中心とする都市ガスへの燃料転換もその一つであり、システムのさらなる高効率化が求められている。
このような背景の中で、弊社は神奈川県の富士フィルム(株)殿神奈川工場足柄サイト構内に(株)エネルギーアドバンス殿向けの都市ガス焚きボイラを納入した。
本ボイラは、同工場内における既設重油焚き高圧・高温ボイラから都市ガス焚きボイラに切り替えることにより、CO2排出量を削減し、省エネ効果を引き出すものである。
ここでは、ボイラ設備の計画概要および特長と試運転結果について報告する。