(要約)
タクマは、これまで半世紀にわたり、木屑、バガス、パーム残渣、コーン粕等の林産廃棄物や食品残渣を燃料とした発電用および加熱用蒸気ボイラを500基以上国内外に納めてきた。再生可能、カーボンニュートラルの観点から注目を浴びているバイオマスエネルギーの有効利用といえよう。バイオマス利用に関し、日本国内では、地形上および経済性の観点から大規模利用は難しく、砂糖きびや一部の木材工業を除き小規模な範囲での利用にとどまっている。しかしながら現在、国レベルでの発電事業やバイオマス燃料化研究等が活発になっている。欧州では、バイオマスによるCHP(Combined Heat and Poewr:コージェネレーション)が普及、ガス化発電も実証レベルにあり、米国では燃焼、エタノール生産に力が入れられている。本稿では、国内外のバイオマス利用の状況、ガス化を主とした国内外で研究・開発中の利用技術に関する調査結果を紹介し、今後の展望について述べる。
(要約)
従来のプラントに比べより高効率、低環境負荷性能を持った新世代ストーカ式ごみ焼却プラントを開発するため、空気比1.3で燃焼による排ガス量の削減、有害物質の排出抑制を目標とし、播磨工場のテスト炉及びエクセルストーカRの実炉による、一次空気低減燃焼のテストを行い、一次空気を低減してもごみを適正に焼却処理できることを確認した。2001年には85ton/日の全連続式焼却炉に環流ガスシステムやアドバンストファジー®制御を取り入れ、約6ヶ月間高度燃焼技術の実証試験を実施し、空気比1.3(一次空気比0.9、二次空気比0.4)の条件にて完全燃焼が可能であり、排ガス量を20%低減するとともにCOを1ppm以下、炉出口におけるダイオキシン類を0.5ng-TEQ/m3N以下に抑制できた。
(要約)
ごみ焼却炉排ガスの酸性ガス除去薬剤として現在使用されている消石灰に変わるナトリウム系の新薬剤であるBICARを用いた乾式排ガス処理システムについて、酸性ガス除去性能および長期安定運転性を確認するため、実証試験を実施した。その結果、当量比1.2でHCl98%、SOx90%程度の除去率が得られ、湿式処理法でしか実現できなかった10ppm以下の濃度まで低減できることを確認できた。また、連続運転期間中、薬剤の切出し、空気輸送、バグフィルタ差圧の安定性等に問題はなく、本システムが実機に適用可能であることを確認した。
(要約)
2000年4月に全面施行された「容器包装の分別収集および再商品化の促進に関する法律(容器包装リサイクル法)」に対応した施設として、埼玉県志木地区衛生組合殿よりリサイクルプラザ(容器包装プラスチック処理施設)を受注した。2000年6月より着工を開始し、試運転、性能試験を経て、2002年3月竣工となった。
リサイクルプラザの施設規模は26ton/5hであり、容器包装プラスチックの処理ラインは2系統で構成され、収集プラスチックはフィルム系プラスチック、ボトル系プラスチック、容器包装外プラスチックに選別され、おのおの専用の圧縮梱包機で圧縮梱包される。
以上のリサイクルプラザ(容器包装プラスチック処理施設)について、概要および試運転結果を報告する。
(要約)
下水道の整備は大都市部ではほぼ完了しているのに対し、中小市町村ではまだ普及率が27%にとどまっており、中小市町村の下水道整備が促進されている。中小市町村では財政面が専門技術者が不足しているという面から建設費、維持管理費ともに低く、運転操作が簡単な設備がより強く求められる。
このような背景から当社の他、7社共同で小規模下水処理場に適した汚泥脱水機の開発を行った。
全国5箇所の処理場で約0.3%の低濃度反応槽汚泥をポリ硫酸第二鉄添加率15%、良性高分子凝集剤添加率3.0の条件で直接脱水し、処理量7kg-DS/hr以上、含水率83%以下、SS回収率95%以上という良好な結果を得た。
(要約)
ダイオキシン類排出総量の大部分を占める飛灰中のダイオキシン類を低コストで確実に分解する熱分解装置を開発した。加熱温度450℃、滞留時間1時間で、還元雰囲気とする必要がなく、急速冷却も不要である。またUターン機構による飛灰の顕熱回収により大幅な省エネルギー化を実現した。実証試験が終了し、阿南クリーンセンター殿(徳島県阿南市)に1号機を納入したので報告する。
(要約)
分散型発電の一つとして注目されている、マイクロタービンコージェネレーションシステムとして、米国Capstone社製28kWマイクロタービン内臓のTCP30(TCP:Takuma Cogeneration Package)の排ガスを利用して冷暖房を行う排ガス駆動吸収冷温水機の開発を行ったので、その結果を報告する。