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タクマ技報 VOL.31NO.1(2023年06月発行)

表紙写真:タクマ播磨工場
タクマ技報 VOL.31NO.1(2023年06月発行)

巻頭論説

廃棄物分野の DX―― 災害廃棄物管理におけるドローン技術,遮水シート接合検査へのリモートセンシング技術の適用事例 ――

解説

バイオマス燃焼灰有効利用の動向
小中原 亨*・藤平 弘樹*・増田 孝弘*
(*研究部)

(要約)

木質バイオマス発電所から発生する燃焼灰は,現状,その多くが産業廃棄物として 処理されている。そのため,燃焼灰を有効利用することは発電所のコスト削減のみならず,最 終処分場の延命化や資源循環の観点からも重要である。そこで本稿では,燃焼灰の有効利用の 取り組みについて,日本国内での燃焼灰の発生状況やその取り扱いの位置づけを述べた上で, 燃焼灰の特性に基づく各種の利用用途における検討状況を解説する。

廃棄物発電ボイラーにおける水管の高温腐食
古垣 孝志*
(*装置技術部)

(要約)

廃棄物発電ボイラーの燃焼室水管や過熱管は,腐食性のガスに曝されるだけではな く,アルカリ金属塩化物や重金属化合物を含む燃焼灰が管表面に付着するなど,厳しい腐食環 境に曝される。本稿では,廃棄物発電ボイラーにおける水管の腐食について,廃棄物発電ボイ ラーの燃焼室水管および過熱管に付着した燃焼灰が減肉速度におよぼす影響を調査した結果に くわえ,当社が取り組んでいる過熱管の高温腐食特性評価試験の内容を紹介する。

タクマ播磨工場の変遷と新工場機能紹介
濱田 敏雄*
(*播磨工場)

(要約)

タクマ播磨工場は 1942 年 (昭和 17 年) 12 月に稼働し,操業 80 年の節目を迎えた 2023 年 1 月に新工場棟とはりまオフィスが竣工した。これまでのタクマ播磨工場の変遷と新 工場の設備概要・機能について紹介する。

報告

脱炭素社会に向けた生物学的メタン合成技術開発の動向とタクマにおける研究開発
佐藤 夏紀*・伊藤 竜生*・藤平 弘樹*・増田 孝弘*
(*研究部)

(要約)

2050 年度までにカーボンニュートラルを実現するため,再生可能エネルギーを最大 限活用して水素製造をおこなうための研究開発が進められているが,水素製造コスト低減や新 たなインフラの整備など課題が多い。それに対しメタンは既存のインフラを流用できるため, エネルギーキャリアとしての利用が期待されている。近年,焼却炉等から回収した二酸化炭素 と水素を反応させてメタンを合成するメタネーション技術が注目されているが,触媒を用いて 化学的にメタンを合成する触媒メタネーションは触媒失活や,エネルギーロスが多いなど課題 が多い。一方,生物学的にメタンを合成するバイオメタネーションは既存のメタン発酵槽を利 用できるだけでなく,温和な環境でメタンを合成できるなどの利点がある。本稿では国内外での バイオメタネーションに関する取り組みと当社における研究開発の進捗状況について報告する。

ストーカ燃焼式実証試験設備の取り組みの紹介
美濃谷 広*・加藤 考太郎 *・鎌田 全一*
(*装置技術部)

(要約)

当社はバイオマス燃料の有効利用や環境負荷の低減等のニーズに迅速に対応するこ とを目的に,処理量 10 t/日規模のストーカ燃焼式実証試験設備を 2016 年当社の播磨工場実験 センター内に建設した。実証試験設備では現在までに,さまざまな燃料の燃焼特性の検証や, 大気汚染物質 (NOx や酸性ガス) を低減する技術の検証を実施し,実際のプラントへ反映し てきた。本稿では実証試験設備でのこれまでの取り組みについて紹介する。

圧力波式ダスト除去装置 (VSPS) への合成樹脂膜の適用
巽 圭司*・山﨑 翔平*・林 京平*・高橋 広光*
(*装置技術部)

(要約)

ボイラーダスト除去に関して,従来の蒸気式スートブロワに代わる装置として当社 独自の圧力波式ダスト除去装置を開発した。既報では,ごみ処理量 110〜250 t/日・炉の都市 ごみ焼却施設で過熱管群やエコノマイザへ適用した実証試験結果について報告した。本稿では, システム全体の運用コストを下げることを目的として,当社装置の重要な構成要素である膜に 新しい材料を適用し,十分なダスト除去性能を有することを確認した実証試験について結果を 報告する。

NOx 変動抑制のための燃焼制御の高度化
奥村 拓也*・永吉 俊介*
(* 環境技術1部)

(要約)

都市ごみ焼却施設において,今後,より厳しい窒素酸化物の規制値に対応するため, 発生 NOx をなお一層抑制できる燃焼制御技術が求められている。当社は,燃焼制御技術とし て,近年は排ガス再循環技術を多く採用しているが,燃焼状態や燃焼室ガス温度の影響を受け て発生 NOx が変動する課題がある。このため,厳しい規制値を設ける施設の脱硝設備は発生 NOx が上昇したときでも対応できるよう設計されているが,その変動を抑制することができ れば,脱硝設備のコンパクト化あるいは脱硝設備自体をなくすことができる。本稿では,排ガ ス再循環技術と AI を活用した燃焼制御システムを組み合わせて燃焼制御技術を高度化し,発 生 NOx の変動抑制効果を確認したので報告する。

レンゴー株式会社尼崎工場殿向けバイオマス焼却設備運転報告
矢野 貴之*・松田 有祐*
(*エネルギー技術2部)

(要約)

2022 年 8 月にレンゴー株式会社尼崎工場殿にて,バイオマス焼却設備が竣工した。 本工場内から排出される製紙汚泥等は,1992 年に当社が納入した階段ストーカ式焼却炉にて 処理していたが,老朽化により稼働停止することとなり,今回竣工した本設備がその役割を引 き継ぎ,現在順調に稼働中である。本稿では,プラント概要,工事上の工夫,そして運転結果 について報告する。

納入物件紹介

東京二十三区清掃一部事務組合 大田清掃工場第一工場再稼働に伴うプラント設備更新工事
ユニフロサンドフィルタ 納入先:大分市 弁天水資源再生センター

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