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タクマ技報 VOL.9NO.1(2001年06月発行)

表紙写真:浦和市クリーンセンター大崎
タクマ技報 VOL.9NO.1(2001年06月発行)

巻頭論説

環境保全への努力と私達環境人の抱負

解説

日本の廃棄物の現状と循環型社会関連各法について
玉出 善紀
(新エネ・環境本部新環境技術部)

(要約)

2001年4月1日から特定家庭用機器再商品化法(いわゆる家電リサイクル法)が施行された。また、昨年には循環型社会形成推進基本法を初めとした関連6法が制定・改正された。これらは現代日本が置かれている状況、つまり多量の廃棄物・最終処分場の逼迫・ダイオキシン類等の環境問題と密接に関連している。

本稿では、日本の廃棄物の現状および各法の解説を行うと共に、環境先進国と言われているドイツおよび欧州の環境への取り組みについて述べる。

報告

リネッサシステムについて
坂上 正美*・藤田 雅人**・土井 知之**
(*東京水処理技術部、**水処理技術部)

(要約)

1997年度に厚生省から「汚泥再生処理センター」構想が打ち出された。この構想は、廃棄物処理にともない発生する有機物を有効利用するため、し尿や浄化槽汚泥の再生処理、そして生ごみ等の有機性廃棄物も再生処理する能力を併せ持つ施設を汚泥再生処理センターと定義しており、従来の衛生処理から、リサイクル型のし尿処理施設への展開を推進している。このような状況のもと、タクマほか6社は「汚泥再生処理センター」を具体化するべく、種々の有機性廃棄物処理実績の多いドイツのシュバルティング・ウーデ社からメタン発酵技術を導入した。そして、愛媛県上浮穴郡生活環境事務組合環境センターにこのシステムの実証試験設備を建設し、1998年5月より1999年2月まで約1年間実証試験を行った。本書ではこの実証試験の結果について報告する。

国分地区敷根清掃センター熱分解ガス化溶融施設計画概要
高橋 賢次・元田 義人
(環境計画第1部)

(要約)

国分地区敷根清掃センターは2000年6月に受注し、2001年1月には現地着工となった。施設規模は162ton/日でリサイクルプラザ23ton/日が併設されている。処理方式は熱分解ガス化溶融方式でタクマとしては一般廃棄物のごみ処理では第1号機となる。本施設では家庭ごみのほかに下水汚泥、掘り起し埋立ごみも処理される。排水の施設内クローズド化(施設外への放流なし)を図るためにボイラ出口ガス温度を若干高目に設定し、減温塔にてプラント排水を噴霧蒸発させているためサーマルリサイクルとしては発電量1,600kWとやや低めとなっている。マテリアルリサイクルとしては鉄・アルミニウム2,880kg/日、スラグ10,080kg/日が有価物として回収される。スラグはアスファルト合材としての利用を予定している。ダイオキシン類は煙突出口にて0.05ng-TEQ/m3Nを保証値としているため通常の排ガス処理設備に加え、活性炭の噴射設備を設ける。トータルダイオキシン類の排出は0.5μg/ごみトン以下を予定。

本稿では都市ごみ1号機の計画にあたり留意した点、掘り起しごみの搬入対策等を含め計画概容を報告する。

窒素ガス式脱酸素装置
森 朗・阿部 博文
(設備技術部)

(要約)

圧力スイング吸着(PSA)式窒素発生装置より得た窒素ガスを、給水と攪拌混合することで溶存酸素を低減させる給水の脱酸素装置を商品化したのでその結果を報告する。

TCP30温水パッケージの開発
植松 信機*・松田 健治**
(*設備技術部、**マイクロタービン事業部)

(要約)

エネルギーの有効利用としてコージェネレーションが注目されている。一方でその普及発展には小型かつ低コストであることが必要不可欠である。TCP30(TCP:Takuma Cogeneration Package)はCapstone社のマイクロタービンにより発電を行い、真空式温水機(バコティンヒータ)をベースとした排熱回収装置を搭載することにより、コンパクトなパッケージ化を達成した。その概要について報告する。

焼却残渣リサイクル技術(ハイセメント)の研究開発
篠原 武・松本 裕幸・西垣 正秀
(装置設計部)

(要約)

ハイセメントとは、溶融技術の代替となる焼却残渣リサイクル技術を目指してわれわれが独自に開発した技術であり、都市ごみ焼却灰を分級処理(ダイオキシン類対策)した後に粉砕し、重金属固定剤、セメント系固化材の添加を行い、港湾浚渫土等の土壌改良に用いる低強度発現セメント系固化材である。

1998~1999年度にはハイセメントを紛体添加方式で港湾浚渫土の固化処理実験および小規模の実機実験を実施し、軟弱地盤の土壌改良への適用性について調査した。

2000年度にはこれらの結果に基づき、環境事業団の「平成12年度次世代廃棄物処理技術基盤整備事業助成金」の交付を受けて実証実験を実施した。ハイセメントの製造プラントを設置し、製造したハイセメントを用いて夢洲第1工区に築造した実験ポンドにおいて、スラリー添加方式で港湾浚渫土の固化処理実験を行った。その結果、ハイセメントの実用化に向けて良好な結果を得ることができた。

学会報告

新エネルギー・リサイクル等PFI推進協議会海外調査に参加して

海外視察

第1回エネルギーと産業のためのバイオマス国際会議に参加して

新製品紹介

TCP30マイクロタービンコージェネ排ガス駆動吸収冷温水機パッケージ
タクマエクセルストーカ(SN形摺動式)

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