(要約)
石油資源に乏しいわが国において、その枯渇によるエネルギーや石油化学製品への影響が懸念されるようになって久しい。しかし、一方でわが国は、豊かな水と土に恵まれたバイオマス資源が豊富な国でもある。国内のバイオマスを資源とみなし、高度な利活用方法を開拓することは、石油資源由来の温暖化ガスやエネルギーセキュリティ等の問題解決手段というだけでなく、過疎化の進む農村の振興に資する産業活性化の手段としても推進すべきものと考える。
本稿では、政府による「バイオマス・ニッポン総合戦略」が公表されて以来のバイオマス利活用の現状と、利活用推進のための農林水産省の取り組みについて紹介する。
(要約)
ヨーロッパで普及している飛灰循環システムを評価するため、ラボテストで飛灰循環による酸性ガス除去効果を確認した後、実ガスを用いた実証試験を行った。ラボテストでは、バグフィルタから排出された飛灰中の消石灰粒子の内部に未反応の消石灰が残存しており、振とう処理することで酸性ガスとの反応がさらに進行することが確認された。実証試験では、HClおよびSOx除去のそれぞれにおいて、飛灰循環による薬剤使用量の低減効果が見られた。これらのことより、飛灰循環システムを導入することで薬剤使用量を低減し、ランニングコストを削減できることが立証できた。
(要約)
東根市、村山市、天童市、河北町の三市一町から排出される資源ごみは、1984年3月から稼動している既設処理施設の老朽化に伴う処理能力の低下及び、2000年4月に完全施行された「容器包装の分別収集および再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」に即応した施設とするため、2008年5月に山形県東根市外二市一町共立衛生処理組合殿より受注し、2010年3月10日に竣工した。リサイクルセンターの施設規模は28ton/5hであり、ビン・缶処理系列、ペットボトル処理系列、その他プラスチック製容器包装処理系列の3系列と、廃蛍光管の受入処理及び廃乾電池の貯留設備にて構成されている。手選別ラインは、各系列に配置され各処理物中の危険物、不適物、収集袋を選別除去、また、ビン・缶系列のカレット類を色別に選別回収する。スチール缶及びアルミ缶は機械選別後、圧縮成型し、ペットボトルとその他プラスチック製容器包装は、(財)日本容器包装リサイクル協会の引取品質ガイドラインに基づいた減容・圧縮処理を行う為、各々専用の機器が設置されている。本稿では本リサイクルセンターについて、施設概要及び運転結果を報告する。
(要約)
弊社は,2005年から低動力型撹拌機(以下バイオブレードミックス)を開発・製品化し低動力化のための方策を盛り込んでいる。納入施設における実運転データから,槽容量あたりの消費電力である撹拌動力密度が1W/m3となることがわかった。さらに間欠運転をすることにより,0.15W/m3まで低減可能なことが確認された。また、撹拌機の回転速度の違いにより,高速回転の撹拌機と比較して低速回転の撹拌機では,活性汚泥の粒径が大きく沈降性が良いことが確認された。
(要約)
化石燃料の代替として木質バイオマス燃料の利用が広がったが、近年では木質バイオマスも逼迫し、RPFが注目されている。容器包装リサイクル法の改正によりプラスチック製容器包装の再商品化手法として燃料化が追加され、RPFの品質等級等に関するJISが制定されるなど、RPFの利用に対する環境が整備されてきており、さらなる利用拡大が期待されている。本稿では、2010年7月に富山製紙株式会社殿に納入したRPF燃焼流動層ボイラプラントについて報告する。本プラントの性能試験では、RPFの良好な燃焼を実現し、設計通りの熱電併給能力を発揮することを確認した。また、排ガスおよび焼却灰に関する規制値も満足することを確認した。