(要約)
環境負荷低減、低コスト化を目標とした新世代ストーカ式ごみ処理プラントの開発を進めるなかで、個々の要素技術について開発を終えたものから新設プラントへの導入を進めてきた。2003年2月に竣工した泉北環境整備施設組合第二事業所ごみ処理施設はエクセルストーカとリバーニングシステムを導入することにより低空気比燃焼(空気比1.35程度)と燃焼によるNOx、CO濃度の同時低減を実現し、2003年9月に竣工した橿原市ごみ焼却処理施設はエクセルストーカとレーザ式酸素濃度計を用いたアドバンストファジ-制御を導入することにより燃焼の安定化を実現するなど、それぞれの技術の特徴を活かした効果を得ることができた。
(要約)
ナトリウム系薬剤であるBICARを用いた乾式排ガス処理システムを開発し、実証試験で性能確認後、2プラントを納入した。吹込み当量比1.3でHCl除去率98%,SOx除去率90%以上の実証試験と同等の性能を確認した。さらに,消石灰吹込み捕集灰と比べ本システムの捕集灰は溶出防止薬剤を50%程度低減できた。
(要約)
下水汚泥を乾燥してガス化し、天然ガスと混焼発電を行う。その排熱を汚泥乾燥等の熱源として利用することにより、汚泥エネルギーを有効に取出し、熱ロスの少ない高効率なシステムの構築が可能となる。そこで我々は、下水汚泥の高効率エネルギー転換を目指し、ガス化システムの開発を開始した。ガス化方式として燃料適応範囲が広く、混合性、温度制御に優れた循環流動層(CFB)方式を採用し、800~900℃で空気による常圧ガス化を行う。そして高温除塵、触媒によるタール分解を行うことにより、灰やタールを含まないガスが生成可能であることを特徴とする。
本研究では、基本特性を把握するため、CFBガス化装置(燃料入熱100kWth)を製作しガス化試験を行った。その結果、約50時間の連続運転を実施し、炭素転換率約90%、冷ガス効率約60%、ガス発熱量約4~5MJ/Nm3(炉出口)を得ることができたので報告する。
(要約)
カーボンブラック製造プロセスから排出されるオフガスは「テールガス」と呼ばれる。このテールガスは低位発熱量2,000MJ/m3Nと低く、自燃しない。このカーボンブラック製造プロセスの紹介、テールガスを自燃させ、NOxを100ppm以下とする燃焼技術およびその熱回収における発電プラント構成に対する留意点について紹介する。
(要約)
石炭は化石燃料の中では地球上に存在する有効な燃料の一つであり、エネルギー資源と経済性を考えた場合には発電プラントの重要な燃料の一つにあげられる。今回、石炭焚として当社が豊富な実績をもつスプレッダ・トラベリングストーカ式ボイラをタイ国Thai Fermentation IndustryCo., Ltd.殿に納入した。このプラントの概要と試運転結果について報告する。
(要約)
アンモニア吸収冷凍機を用いた凍結濃縮脱水システムは、CGS排熱を熱源として冷凍機を駆動させることで、消費電力は従来の電動圧縮式冷凍機を用いた場合の約1/4となり、省電力、省エネルギーのシステムである。本稿では、本システムの利点を活かし、浄水汚泥(生汚泥)の一部を凍結融解後濃縮した汚泥(処理汚泥)を、脱水機のろ布にプレコートした後、未処理の生汚泥をろ過するプレコート処理について報告する。プレコート処理は、ろ過速度の向上による脱水処理能力の改善、ろ布の目詰まり防止やケーキの剥離性改善によりメンテナンスの軽減が可能となり、ランニングコスト、イニシャルコストを低減できる実用性のある処理法であることが明らかとなった。
(要約)
最近、一般廃棄物や下水汚泥等の溶融固化物の有効利用が促進されつつある。有効利用のためにはスラグの安全性を常に保証することが重要であるが、現状ではスラグに含まれる重金属類の溶出量および含有量などの分析に1週間程度を要するため、スラグの品質管理が困難である。
そこで、スラグの品質管理を目的として、小型のエネルギー分散型蛍光X線分析装置を用いたスラグの鉛含有量の迅速・オンサイト測定方法を検討した。
その結果、スラグに乾燥・粉砕などの簡単な前処理を加えるだけで、30分程度でスラグの鉛含有量を精度よく測定できることを確認した。また併せて、焼却灰や土壌中の鉛含有量も測定できることを確認した。