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タクマ技報 VOL.28NO.1(2020年06月発行)

表紙写真:奥州金ケ崎行政事務組合 基幹的設備改良工事
タクマ技報 VOL.28NO.1(2020年06月発行)

巻頭論説

ごみ焼却の科学的合理性

解説

ごみ焼却炉に使用する耐火物とその特徴
柴田 清*
(*装置技術部)

(要約)

耐火物は,鉄鋼業を始めとして,セメントキルンやガラス溶解炉,各種焼却炉,燃焼炉などで使用され,各炉の使用条件により材質や構成が決められている。ごみ焼却炉で使用する耐火物は主に燃焼室で使用されており,安定した連続操業やボイラ保護のために必要不可欠なものであり,長寿命化やメンテナンス性の改善に重要である。本稿では,耐火物全般における分類とその特徴について説明し,ごみ焼却炉に使用されている耐火物について当社における炉材構成を例に紹介し,最後に過去にあった不具合事例を元にその内容と改善方法について説明する。

報告

ごみ処理施設におけるAI を活用した燃焼の自動安定化技術の開発(第一報)
藤本 祐希*・井藤 宗親*
(*環境技術1部)

(要約)

これからのごみ処理施設は,少子高齢化・労働人口減少にともなう人材不足に対応しつつ,従来通り安定したごみ処理を継続しなければならない。当社はこの課題を解決するため,施設運転の更なる自動化に取り組んでいる。本稿ではその事例として,ごみ処理施設の最重要設備である焼却炉における燃焼状態の自動安定化技術について報告する。熟練運転員と同様に焼却炉内の燃焼画像や運転データをもとに,燃焼変動を予測するAI を開発し,実施設においてリアルタイムでの予測を実施した。AI の予測内容と実際の運転員の予測との比較をおこない,AI の予測性能を確認した。また,システムに蓄積したデータをもとに,AI が学習することによって,運転状況の変化に応じた予測が可能であることも確認した。

画像処理を用いたごみ混合度数値化システムの開発
関根 諒一*・藤川 博之*
(*電気計装部)

(要約)

ごみクレーン自動化機能を高度化し,従来の自動撹拌制御以上にごみピットのごみを均質化することを目的として,運転員の目視の感覚(色味のばらつき) を数値化するシステムを開発した。本システムはごみクレーンガーダに設置したレーザスキャナによりごみピットのごみ高さを3 次元計測し,その計測値を用いてごみピットのITV 画像をピットの真上から見た画像に変換する。さらに,変換された画像のカラー成分から特定の色味の画素を抽出し,各ごみピット番地内における抽出された画素の面積率やばらつきを計算することにより,ごみの混ざり具合(ごみ混合度) を数値化できる。本システムを用いて,実プラントにおける緑色ごみ袋に入ったごみの混合度を数値化した。

奥州金ケ崎行政事務組合 基幹的設備改良工事
亀山 豊*・中村 純平*
(*環境技術3部)

(要約)

当社が奥州金ケ崎行政事務組合殿より受注した,胆江地区衛生センターごみ焼却施設基幹的設備改良工事の第1 期工事部分(2 号焼却炉および共通設備の一部) の引渡しが2019年9 月1日に完了した。本工事は焼却炉のガス冷却方式を水噴射方式から廃熱ボイラー方式に改良し,かつ蒸気タービン発電機を増設して発電をおこなうという当社として前例のないものであった。ここでは本工事の特徴と2号炉の運転状況について報告する。

木質バイオマス発電所および燃焼ガス浄化設備の納入報告
花山 勇一郎*・白垣 守**
(*エネルギー技術2部、**メンテナンス2 部)

(要約)

株式会社サラ殿は,国内最大規模の半閉鎖型グリーンハウスを用いた野菜栽培とバイオマス発電を組み合わせた世界最先端の施設園芸事業を営まれている。この株式会社サラ殿の事業において,当社はグリーンハウスに必要な電力・熱の供給,そして,農作物の成育促進のための光合成活動に必要な二酸化炭素を供給する設備として,バイオマス発電所からの燃焼ガス中の有害成分を除去する燃焼ガス浄化設備を併設した化石燃料を使用しないバイオマス発電所をグリーンハウスに隣接して建設した。本稿では,当社が納入したバイオマス発電所と燃焼ガス浄化設備の概要,運転結果およびO&M 業務の特徴について報告する。

海外視察

進展する中国のWtE 施設調査報告

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