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タクマ技報 VOL.27NO.2(2019年12月発行)

表紙写真:葛西水再生センター汚泥濃縮槽1号機械設備改良工事
タクマ技報 VOL.27NO.2(2019年12月発行)

寄稿

「ご挨拶」ESGへの取り組み

巻頭論説

廃棄物・リサイクル分野の政策動向と事業者に求められる役割

解説

下水道業界におけるISOへの取り組み
水野 孝昭*
(*水処理技術部)

(要約)

下水道業界におけるISO国際規格化について,現在国内での検討が行われている。このうち当社製品と関係の深いISO/TC275(汚泥の回収,再生利用,処理及び廃棄)とISO/TC282(水の再利用)について,日本が幹事国・議長もしくは専門家を派遣して議論に参加している標準化作業グループ(WG)や分科委員会(SC)について,これまでの取り組み状況と現時点での状況について解説する。

報告

AI・ICTを活用したごみ処理施設の高度化に関するタクマの取り組み
藤本 祐希*・井藤 宗親*
(*環境技術1部)

(要約)

これからのごみ処理施設は,少子高齢化・人口減少に伴う人材不足に対応しつつ,従来通り安定したごみ処理を継続しなければならない。当社はこの課題を解決するため,プラント運転の更なる自動化に取り組んでおり,本稿では,画像解析を用いた焼却炉へ投入するごみ質の高度な制御技術やAIを用いた燃焼の自動安定化技術について紹介する。また,DBO方式や長期包括運営委託方式の増加にともない,民間事業者による効率の良い施設運営が求められており,2016年から稼働している「運転・維持管理総合支援システム(POCSYS®)」で得られる施設のビッグデータを活用した運営支援に関する取り組みについても紹介する。

インド国テランガナ州における廃棄物焼却発電施設導入に向けた廃棄物調査
松原 秀憲*・川本 雅也**
(*環境技術1部、**国際部)

(要約)

廃棄物問題が顕在化しているインド国への廃棄物焼却発電施設の導入に向けた取り組みとして,同国テランガナ州にて廃棄物調査を実施した。

当該地域における一般廃棄物の管理状況について現地視察およびヒアリングをおこなうことにより,廃棄物の発生源およびフローを把握し,各発生源からの廃棄物発生量を確認した。また,各発生源からの廃棄物をサンプリングし,10サンプルの種類組成分析および化学分析をおこなった。これらの分析結果より,当該地域の廃棄物は,日本の一般廃棄物に比べて発熱量が低く,灰分が高い傾向が見られたものの,焼却処理可能なレベルであると推測された。

本調査を通して,当該地域向け廃棄物焼却発電施設の施設規模(焼却能力)および計画ごみ質の決定に資する情報を得ることができた。

焼却灰埋没試験における耐熱鋼の高温腐食挙動に及ぼす雰囲気および試料温度の影響
古垣 孝志*・巽 圭司*・高橋 広光*・柴田 清*・梅原 健太**・林 重成***
(*装置技術部、** 北海道大学大学院工学院材料科学専攻、
*** 北海道大学大学院工学研究院材料科学部門)

(要約)

廃棄物発電における高効率化には蒸気温度を上昇させることが有効であるが,過熱管の高温腐食を抑制するために,蒸気温度条件には制限がある。当社はこれまでに蒸気温度の高温化を目指して,稼働中の廃棄物発電ボイラに管材を設置するばく露試験をおこなってきた。本稿では,北海道大学との共同研究において,過熱管が曝される環境と同等となる,灰中に温度勾配をつけることが可能な腐食試験装置を用いて高温腐食試験をおこない,耐熱鋼の高温腐食挙動に及ぼすガス雰囲気温度および管材の管壁温度の影響について知見を得たので報告する。

階段式汚泥焼却炉における窒素酸化物の低減方法の検討(その2)
村岸 弘基*・中西 譲*・水野 孝昭*・株丹 直樹*
(*水処理技術部)

(要約)

当社が下水汚泥焼却発電システムにおいて採用している階段炉は,流動焼却炉と比較して一酸化二窒素排出量が少ないという特長がある一方,排ガス中の窒素酸化物濃度は高い傾向にある。大気汚染防止法の排出基準を上回ることはないが,自治体により排出基準が上乗せされた場合等は,窒素酸化物低減技術の導入が必要となる。そこで本研究では,既設の階段炉を用いた下水汚泥焼却システムに燃焼排ガス再循環設備を設け,薬剤を使用しない,燃焼制御による窒素酸化物の排出低減試験を実施した。その結果,空気比1.27の低空気比燃焼により,窒素酸化物濃度を86ppmまで低減した。また,低空気比燃焼法に燃焼排ガス再循環法を組合せ,空気比1.29,排ガス再循環率10%で連続運転をおこない,窒素酸化物濃度59ppm,一酸化炭素濃度0ppmの安定運転を確認した。このときの一酸化二窒素排出量は0.02kg-N2O/t-wet以下であり,実機において窒素酸化物と一酸化二窒素の同時低減ができることを確認した。

都市ごみ排ガスからの低温熱回収システムの開発(その2)
岩本 敬弘*・工藤 隆行*・藤田 泰行*
(*技術開発部)

(要約)

都市ごみ焼却プラントにおける熱利用率の向上を目的に,フッ素樹脂を用いた耐腐食型の熱交換器を特徴とする低温熱回収システムを開発した。耐腐食性の高いフッ素樹脂を用いることで,低温腐食の問題を回避するとともに低温域の排ガスから熱回収することができ,プラント全体での熱利用量を増加させ,発電効率を向上することができる。本報では低温熱回収システムについて説明するとともに,都市ごみ焼却施設の実排ガスを用いた長期耐久性評価試験について報告する。

納入物件紹介

葛西水再生センター汚泥濃縮槽1号機械設備改良工事

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