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タクマ技報 VOL.26NO.2(2018年12月発行)

表紙写真:今治市クリーンセンター
タクマ技報 VOL.26NO.2(2018年12月発行)

巻頭論説

活発化する水関連国際規格化への対応

解説

ボイラダスト除去装置の変遷と今後の課題
高橋 広光*
(*装置技術部)

(要約)

ボイラの伝熱面にダストが付着すると,伝熱性能の低下やガス通過部の閉塞および水管の腐食といった障害が生じるため,定期的にボイラを停止して清掃するのに加え,運転中にもダストを除去できる装置を備えておく必要がある。またダスト除去装置には様々な種類があるので,温度等使用環境条件やダスト性状等,そのケースに適した装置を選択することが重要である。本稿ではボイラダスト除去装置の変遷として,従来から使用されている代表的なダスト除去装置の種類や特徴を解説するとともに,近年導入が始まっている新しいダスト除去装置についても紹介した後,今後の課題について言及する。

報告

今治市クリーンセンター運転報告 
赤江 宣勇*
(*環境技術3部)

(要約)

島しょ部を含む今治市内の既存4施設を集約し,可燃ごみ処理施設とリサイクルセンターを併設した今治市クリーンセンターが2018年3月に竣工した。本施設は「安全・安心で,人と地域と世代をつなぐ施設」をコンセプトに建設され,災害時は管理棟を開放することで避難所としての機能も有している。ごみ処理施設としては,今治市が要求している水準の公害防止基準値より厳しい基準値を設けて運転を実施しており,本稿では竣工前の引渡性能試験の結果と,本施設の特徴である高効率発電および避難所機能としての施設立上げについて報告する。

都市ごみ焼却施設における汚泥混焼
渋谷 智一*
(*環境技術1部)

(要約)

近年,都市ごみ焼却施設では,し尿および下水処理場から排出される汚泥を混焼する案件が増えている。汚泥は独特の臭気を有するため,受入設備には十分な配慮が必要である。さらに,一般家庭から排出される可燃ごみに比べ水分が高いため,焼却炉へ供給する際は,汚泥供給過多となり炉内温度が著しく低下しないような工夫が求められる。また,汚泥は可燃分中の硫黄分が高く,混焼すると排ガス中のSOx発生濃度が高くなるため,排ガス処理設備にも配慮が必要となる。本稿では,都市ごみ焼却施設で汚泥を混焼する際の様々な工夫点を,近年運転を開始した最新施設の事例を交えて紹介する。

2MW級木質バイオマス発電設備の運転実績報告
引田 浩之*
(*エネルギー技術2部)

(要約)

再生可能エネルギー特別措置法に基づく固定価格買取制度において,2015年に2MW未満の未利用木質バイオマス発電に対して40円/kWhの買取価格区分が新たに設定された。当社では,本区分向けに,北海道と沖縄県を除く全国に適用可能な2MW級発電設備の商品化を行った。本稿では,2MW級発電設備の概要を説明するとともに,2018年1月に営業運転を開始したバイオマスパワーテクノロジーズ株式会社殿向け,および同年3月に営業運転を開始した株式会社クリハラント殿向けの2物件の運転実績について報告する。

固定床型アナモックスプロセスによる高効率窒素除去技術 その7-高負荷運転に関する実証的検討-
高木 啓太*・土井 知之*・岸 研吾*・宍田 健一*
(*水処理技術部)

(要約)

熊本市東部浄化センター内に設置した固定床型アナモックスプロセスの国土交通省B-DASHプロジェクト実証施設を用いて,B-DASH終了後の平成26年度以降もプロセスのさらなる低コスト化や安定化を目的とする検討を行なっている。本稿では,平成29年度の研究成果として,高負荷運転を行なった結果について報告する。プロセス全体の流入窒素負荷を上げるために,当初の設計水量より流入水量を増加させた「高負荷運転」を実施し,流入窒素負荷の引上げに追随して亜硝酸化槽,アナモックス槽ともに窒素転換速度が上昇することが確認された。高負荷運転でも亜硝酸化槽では硝酸の生成はほとんどなく,安定した亜硝酸化処理が維持され,アナモックス槽では通常負荷時の処理水質に比べてNH4-NおよびNO2-N濃度が上昇することなく,90%以上の窒素転換率が安定して得られた。以上のことから,今回得られた負荷条件を設計に反映することで亜硝酸化槽およびアナモックス槽の水槽容量を縮減することができ,本プロセスの低コスト化を図れる可能性が示された。

CO2分離膜の適用によるバイオガス発電の高効率化
加藤 考太郎*・髙橋 滋敏*・岡田 治**・花井 伸彰**・南但広域行政事務組合***
(*技術開発部・**株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ・***南但広域行政事務組合)

(要約)

廃棄物のメタン発酵によって生成されるバイオガスを燃料としたガスエンジン発電システムは,100トン/日未満の中小規模施設において蒸気タービン発電と比較して高い発電効率を得ることができる。バイオガスはメタンと二酸化炭素(CO2)を主成分とし,都市ガスと比べメタン濃度が低いため,バイオガス専用のガスエンジンを用いて発電を行っている。バイオガス仕様のガスエンジンの発電効率は都市ガス仕様のものよりも低いが,バイオガス中のCO2を分離除去してメタン濃度を90%程度まで高めることで,バイオガス仕様のガスエンジンに比べ発電効率が高い都市ガス仕様のガスエンジンを使用することが可能となり,より高効率な発電システムを構築することができ,CO2排出量の削減につながる。本稿では,バイオガス中のCO2の分離に膜を適用したバイオガス発電システムの開発を目的として,CO2分離膜の基礎試験,CO2とコストの削減効果の試算を行い,従来システムと比較・評価を試みた結果について報告する。

海外視察

アジア太平洋3R推進フォーラム第8回会合

納入物件紹介

たつの市 松原前処理場 粗目自動除塵機改築工事

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