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サステナビリティ

サステナビリティSUSTAINABILITY

トップメッセージ

代表取締役社長 南條 博昭

独自の「技術力」と、真摯に積み重ねてきた「お客様との信頼関係」

当社グループの経営理念

 当社は、日本初の純国産技術によるボイラを発明し、明治・大正期の日本十大発明家の一人として名を連ねる田熊常吉が創業した会社です。ボイラメーカーとして出発し、ボイラの改良・改善で培った燃焼技術やエンジニアリング技術を生かして、1963年には日本初となる全連続機械式のごみ焼却プラントを納入して環境分野に進出。現在では、ごみ処理施設やエネルギープラント、水処理設備など、環境とエネルギーの分野を中心としたプラントエンジニアリングを主力事業とするグループへと成長してきました。
 経営理念として、創業の精神である「汽罐報国」=「ボイラ(汽罐)を通じて社会に貢献(報国)する」に由来する、「世の中が必要とするもの、世の中に価値があると認められるものを生み出すことで、社会に貢献し、企業としての価値を高め、長期的な発展と、すべてのステークホルダーの満足をめざす。」ことを掲げ、自らが生み出す財・サービスによってお客様、ひいては世の中に貢献することをめざしています。

当社グループの強み

 このような歴史を持つ私たちの強みは、大きく2つ、「技術力」と「お客様との信頼関係」にあります。まず「技術力」については、祖業のボイラ研究・製作の「ものづくり」をベースとした、多種多様な燃料を安定的に燃やすことができる燃焼技術や、発生した熱エネルギーを効率的に活用する熱回収技術といった独自のコア技術に加え、ボイラの据付(設置工事)から始まり、数多くの一般廃棄物処理プラントやバイオマスプラントを納入し蓄積された経験やノウハウに基づいて、オーダーメイドのプラントを設計・施工するプラントエンジニアリング技術など、ボイラの技術から派生したさまざまな技術を保有しており、現在も事業や研究開発を通じてその技術を磨き続けています。
 「お客様との信頼関係」については、当社の事業は主にプラントを建設するEPC事業と、納入後のアフターサービス事業の2つに区分できますが、その両事業を通じて、お客様に寄り添い、真摯な対応を積み重ねてきたことで培われたものです。EPC事業は、設計・生産・調達・工事・試運転など数多くのプロセスを経てプラントを完成させ、完成後のアフターサービス事業では、プラントを長期にわたって使用していただくための運転管理やメンテナンスといったサービスを継続的に提供します。プラント完成に向けてはさまざまな課題がありますが、お客様との対話を重ねて課題に一つひとつ対処し、最終的にはお客様から求められる仕様や性能を満たすプラントを数年間かけてつくり上げていきます。また、アフターサービス事業では、お客様が日々運転・運営される中での課題や発生したトラブルに対して迅速に、真摯に対応し続けます。これらの積み重ねで信頼関係が培われ、お客様との新たな仕事にもつながっていきます。
 このような、技術力を磨きお客様との信頼関係を大切にする当社グループの姿勢であり社風は、今後も受け継いでいくべきものと考えています。

ストック型ビジネスを成長ドライバーに、「Vision2030」実現へ

 当社グループを取り巻く将来的な外部環境として、国内では人口減少にともなう労働力不足への対策や、老朽化した施設の統廃合、既存施設の有効活用の需要が見込まれます。また、海外の新興国では、都市化にともなうエネルギー・廃棄物処理の需要が増加すると見込んでいます。これらの環境変化を踏まえ、2030年に向けた当社グループのありたい姿として、2021年に長期ビジョン「Vision2030」を策定しました。ESG経営の推進によりお客様や社会とともに持続的に成長し、再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとして社会に必須の存在であり続け、ありたい利益水準として2030年度(2031年3月期)に経常利益200億円をめざすことを掲げています。主に、ストック型ビジネスを成長ドライバーとしてさらに拡大するほか、そのストックを増加させるEPC事業でのポジションの維持・拡大や、海外事業を将来的にグループの柱の一つへと育成することに注力します。また、ESG経営の推進にあたって当社グループの重要課題(マテリアリティ)を策定し、事業活動を通じて重要課題に取り組んでいきます。

ストック型ビジネスを成長ドライバーに

 社会インフラとして重要な役割を担うプラントの安定稼働には、日々の適正な運転管理と適切なメンテナンスを行うアフターサービスが不可欠です。また、一般的にプラントの寿命は20年から30年程度とされていますが、近年ではストックマネジメントの観点から、既存施設をより長期間使用するだけでなく、建物を維持したままプラントの主要部分を更新して延命化する基幹改良工事や、プラント部分のみをすべてリニューアルする更新工事の手法が検討されるなど、アフターサービスやストックの有効活用に対するニーズが高まっており、これらのニーズに応えていく必要があります。
 また、ストック型ビジネスは「お客様との信頼関係」という当社の強みを維持・強化する最前線でもあります。日々、プラントの運転や施設を運営されるお客様と綿密にコミュニケーションをとりながら、今抱えている課題に対しての改善策を積極的に提案するほか、トラブルが発生した際は迅速に対応し解決することで、お客様との信頼関係がより深まるだけでなく、社員自身の成長にもつながります。
 ストック型ビジネスへの積極的な取り組みは長期にわたって安定的に収益を確保できるという利点もありますが、ストックを長く大事に活用していくことは、資産の有効活用という観点からもお客様や社会にとって価値があり、また社員の成長、ひいては当社グループの成長にもつながるものであり、まさにビジョンで掲げるありたい姿の実践そのものだと考えています。

海外事業成長への足がかりを作る

 2030年以降の国内市場の需要減少の可能性を見据えた場合、今のうちから海外における実績づくりに取り組む必要があり、現地法人を構える東南アジア圏を中心に、経済成長や都市化に伴って需要が見込まれる廃棄物処理プラントやエネルギープラントの案件を継続的に受注することをめざしています。私は過去にエンジニアリング担当として海外プロジェクトに携わったことがありますが、プロジェクト遂行に際しては、国ごとに異なる法令や制度、文化や考え方を踏まえたノウハウを身につける必要があるため、すぐに海外事業で成果を出し続ける体制を整備することは難しいと考えています。今から継続的に社員が海外事業を実地で経験し、実力を養うことで成長の素地を固めておき、将来的には一般廃棄物処理プラント、エネルギープラント、水処理プラントの3本柱に次ぐ4本目の柱として確立していきます。

第13次中期経営計画の振り返りと第14次中期経営計画の方針

 「Vision2030」の達成に向けて、中期経営計画に基づき取り組んでいます。まず、2021年度から2023年度までの「第13次中期経営計画」(以下、前中計)では、今後の安定的なプラント更新・延命化需要に対応するため、人材採用・育成を推進するほか、プラントのコア設備であるボイラや燃焼装置を生産する播磨工場をリニューアルし、2023年1月に新工場として稼働させました。目標としていた3か年累計の経常利益を達成できたことに加え、受注高も当初の計画を上回り、成長への布石を打ちました。
 今年度にスタートした2024年度から2026年度までの「第14次中期経営計画」(以下、第14次中計)では、前中計の成果と課題を踏まえ、ビジョン実現に向けた成長ストーリーの具現化をめざします。引き続き人材の確保・育成を推進しつつ、特に一般廃棄物処理プラント事業に経営資源を優先的に投入し、前中計よりも多くのEPC案件の受注を積み重ね、竣工後のアフターサービスの受注につなげます。これにより、EPC事業とストック型ビジネスの好循環を実現し、第15次中計以降の成長につなげていきます。3か年累計の受注高目標としては、前中計期間を大きく上回る6,000億円の達成をめざします。

ESG 経営の推進により、企業価値の向上を図る

 「Vision2030」で掲げるESG経営の推進に際しては、7つの重要課題を特定しKPIを通じてその進捗を管理しています。当社グループは事業そのものが環境(Environment)保全や気候変動対策に貢献するものであり、自社のCO2削減に加えて、自社製品であるプラントを通じてお客様、社会全体のCO2削減に引き続き貢献していきます。また、このような製品を提供し続けるためには、社会(Social)との良好な関係を保つこと、すなわち、世の中が必要とする技術をさまざまなパートナーと共創しイノベーションを推進することでお客様や地域社会に役立つ製品やサービスを提供し、信頼関係を構築すること、また、これを実践する人材を確保・育成し、全員が活躍できるよう社員の健康や現場の安全管理に取り組み、職場環境を整えることが必要不可欠です。加えて、ビジョンの達成に向けては、これらの取り組みの進捗を監督する企業統治(Governance)の役割が非常に重要であると認識しており、適切なリスクマネジメントと意思決定を行っていきます。


第14次中計で注力する重要課題への取り組み

 重要課題の中でも特に「人材の活躍促進」について、市場環境が堅調に推移する一方で、第14次中計の目標を達成するための当社グループの課題として、人材をはじめとするリソース不足が挙げられます。前中計ではエンジニアリング、施工、メンテナンス部門を中心に積極的な採用活動を進め、連結ベースでは3か年累計で約350名を増員するとともに、研修メニューや教育システムの充実を図りましたが、リソース不足を完全に解消できたわけではありません。第14次中計でも引き続き人材の確保に努め、リソースの一層の拡充を図るほか、多様な人材が長期にわたって活躍できる社内環境の整備をめざし、働きがい・働きやすさのさらなる向上に取り組みます。
 また、当社の強みの一つである「技術力」にまつわる重要課題「パートナーシップとイノベーションの推進」について、過去の経験やノウハウに裏打ちされた技術力が当社の強みですが、これをさらに磨くためには、トライ&エラーを繰り返しながら新しい技術を積極的に取り入れ、活用することが大切です。中でも、デジタル技術の発展は目覚ましいものがあり、第14次中計ではDX(デジタルトランスフォーメーション)を「攻め」「守り」の両面から推進し、競争力を強化していきます。加えて、研究開発分野では、CCUS(CO2の回収・有効利用・貯留)をはじめ、脱炭素社会の実現に向けた研究を加速します。社外とのパートナーシップも活用しながら、早期の実用化をめざします。

経営理念の実践に向け、ステークホルダーとの対話を推進

 当社の経営理念と、長期ビジョン「Vision2030」や中期経営計画についてご説明してきましたが、これらの実現に向けては、「株主・投資家」「お客様」「社員」をはじめとするステークホルダーの皆様と真摯に向き合い、コミュニケーションを重ねていくことが不可欠です。お客様や社会とともに、長期的に、持続的に成長していく企業として価値を高め、私たちを応援してくださる株主の皆様、私たちを信頼してくださるお客様、当社グループの企業活動に協力してくださる協力企業の方々や当社グループの役員・従業員など、すべてのステークホルダーの皆様に満足していただけるよう、これからも全力を尽くしていきます。皆様には、日頃の温かいご支援に心より感謝を申し上げるとともに、今後とも一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2024年11月
代表取締役社長
南條 博昭

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