
株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまには、日頃より当社に深いご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
当社では、2024年5月に公表した第14次中期経営計画(2024年度~2026年度、以下「本中計」)に基づき、中長期的な企業価値の向上に取り組んでいます。本中計は、グループの成長を支える柱である環境・エネルギー(国内)事業において、特に一般廃棄物処理プラントの受注(更新、基幹改良)と、ストックを最大限活用した収益モデルの確立に優先的に経営資源を投入し、長期ビジョン「Vision2030」の実現に向けた成長ストーリーを具現化する位置づけとしております。堅調な市場環境を背景に、2025年3月期には過去最高となる連結受注高2,463億円を記録するなど、取り組みが着実に進捗しているものと認識しており、2025年5月には本中計の目標数値を上方修正しました。また、本中計では、市場の期待に応える事業成長・株主還元と、強固な財務基盤の両立を図るべく、キャッシュアロケーションをはじめとする定量的な方針を設定しております。

当社は、本中計の公表後も、企業価値のさらなる向上を目的に、株主・投資家の皆さまと積極的に対話を重ねてきました。対話を通していただいたご意見を参考に、取締役会でも継続的な議論を行い、2024年11月、政策保有株式の縮減方針を新たに策定しました。具体的には、当社グループが保有する政策保有株式について、本中計の最終年度である2027年3月期末までに連結純資産比15%未満まで縮減(約70億円規模の売却)、また、2029年3月期末までに同10%未満まで縮減(さらに約30億円規模の売却)を進める方針としております。
政策保有株式の縮減を中心に、バランスシートの効率化を図ることで創出されたキャッシュは、配当および自己株式取得の株主還元に充当する方針としております。特に自己株式取得については、本中計策定当初は3か年総額で120億円規模の実施を予定していたところ、修正後の計画では3か年総額で180億円規模の実施に改定しています。配当性向50%を含めると、本中計期間3か年累計の総還元性向は約100%となる見込みであり、株主の皆さまへの一層の利益還元を実現していく所存です。

株主還元を強化する一方で、持続的な企業価値向上に向けて、機動的な成長投資にも注力していきます。ここでは、2025年3月期に決議した成長投資案件のうち、株式会社IHI汎用ボイラの株式取得についてご紹介します。当社グループは、「Vision2030」において、汎用ボイラ事業などから構成される「民生熱エネルギー事業」を着実な収益拡大をめざす「継続事業」と位置づけています。本事業では、2005年から、当社連結子会社である株式会社日本サーモエナーが製品の開発・製造から販売・サービスまでを一貫して取り扱ってきました。このたびの株式取得を通じて、2025年4月1日からIHI汎用ボイラが当社の連結子会社となったことで、国内市場で高いシェアを持つ両社の製品ラインアップや技術力が融合され、より付加価値の高い製品・サービスの供給体制の確立による競争力拡大が実現するものと期待しています。また、統合によるシナジーのさらなる発揮を目的に、2026年4月1日付で日本サーモエナーとIHI汎用ボイラの合併を予定しています。今後も、特に環境・エネルギー(国内)事業において、人員などの機能充実や、事業領域の拡大に資するM&A案件に関して積極的に情報収集を行い、機動的な投資判断を行っていきます。

当社では、長期金利の上昇による影響を勘案し、CAPM(資本資産価格モデル)により推定される株主資本コストが7%程度に上昇しているものと分析しております。また、機関投資家へのヒアリングによる市場からの期待リターンは7%から8%程度と推定され、CAPMによる資本コストの推定値と大きな乖離はないと認識しています。資本コストが上昇している一方で、利益の増加と資本効率の改善を通じてROEも向上(2025年3月期:9.5%)しているため、一定のエクイティスプレッド(ROEから株主資本コストを差し引いた値)は確保できています。その一方で、株主・投資家の皆さまには、さらに高い水準のエクイティスプレッドを期待されているものと認識しております。当社としても、皆さまからの期待に応えるべく、本中計最終年度である2027年3月期のROE目標を11.5%以上に、また、「Vision2030」の最終年度である2031年3月期のROE目標を12%以上に設定しています。利益率の向上と、強固な財務基盤を維持しながらのバランスシート効率化を両立するための取り組みを継続することで、目標を達成してまいります。
最後になりますが、当社が掲げるビジョンを実現するためには、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまのご支援が不可欠です。皆さまとの透明性の高い対話を積極的に行い、いただいたご意見を経営判断に活用しながら、持続可能な企業価値の創出をめざしてまいりますので、今後も変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。