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タクマ技報について

タクマ技報は、当社の技術を積極的に社内外に開示し、共有化するとともに、その発行活動を通じてエネルギー問題や地球環境問題に貢献できることを目的とする技術誌です。
VOL.33 NO.1以降に発行したタクマ技報は、記事全文の電子閲覧が可能です。
タクマ技報の著作権は株式会社タクマに帰属しています(タクマ社員およびタクマグループ社員以外の執筆者による著作物の著作権は執筆者に帰属します)。
転載を希望される場合は、 タクマ技報編集委員会事務局までご連絡ください(営利目的の転載は禁止いたします)。転載手続きについて事務局より折り返しご連絡いたします。

最新号 VOL.34 NO.1

巻頭論説

カーボンニュートラルの実現に向けた廃棄物の適材適所での高効率利用
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解説

日本のエネルギー史を考える
金 田 武 司 *
(*株式会社ユニバーサルエネルギー研究所)

(要約)

明治維新の後,日本は化石燃料の確保に翻弄された。日本には化石燃料が殆どなく,その調達が国の発展を左右した歴史である。第二次世界大戦および 2 度のオイルショック,湾岸戦争,ホルムズ海峡危機など日本が受けた影響は諸外国とは本質的に異なったものであった。ここでは,ペリー来航による石炭時代の幕開けと富国強兵,大正時代の電力利用,アメリカ,中東の石油資源に依存してきた日本固有の特殊な歴史とそれにともなう産業発展のプロセスを整理した。特にオイルショック後の脱中東に向けた政策はその後の省エネルギー機器の開発・商用化および輸出を通じ経済復興に大きな役割を果たしている。禍転じて福と為した事例でもある。中でも原子力政策の推進,LNG (液化天然ガス) の利用は世界,アジア諸国の中でもとりわけ日本が先進的な役割を果たし,エネルギー安定供給に向けた基盤的な役割を果たしている。その結果として今の電源構成が形作られているとも言える。本稿は,そういったエネルギー調達にかけた歴史と国内産業発展の歴史を記したものとした。

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報告

燃焼ガス浄化技術による一般廃棄物処理施設由来CO2の農業利用
岡 部 潤 輝 *・藤 川 宗 治*・佐 藤 和 宏*・増 田 孝 弘*
(*研究部)

(要約)

当社は,バイオマス発電施設において実績を複数有する燃焼ガス浄化設備「t-CarVe (ティー・カーブ)®」の適用範囲を一般廃棄物処理施設へ拡大すべく,町田市バイオエネルギーセンターにて実証試験を実施した。本設備は,燃焼ガス中のCO2を分離回収することなく,有害成分の除去により安全にCO2を園芸施設へ供給するものである。約400日間にわたる連続運転を通じて,一般廃棄物燃焼ガスにおいてもCO,NOx,HCl,ダイオキシン類などを,農業利用に適した濃度まで浄化できることを実証した。また,園芸施設内の大気環境分析では,浄化ガス施用区と液化炭酸ガス施用区との間に有意差は認められず,いずれも一般的な大気と同等であった。さらに,栽培したいちごを用いた動物実験および微量成分分析においても有害な影響は認められなかった。これらの結果から,当社の燃焼ガス浄化設備により,一般廃棄物の燃焼ガス由来のCO2が農業利用可能であることが示唆された。

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省エネルギー型CO2分離回収技術の実証 (第2報)
万 ノ 友 哉 *・美 濃 谷 広*・巽 圭 司*・鎌 田 全 一*
(*装置技術部)

(要約)

化学吸収法によるCO2分離回収は,ガス量が多くCO2濃度が低い燃焼排ガスからのCO2分離回収に適しているが,CO2再生工程で大量の熱エネルギーを消費することが課題である。当社では,省エネルギー型CO2分離回収技術の実用化に向けて,2024 年から低熱量でCO2の分離が可能な非水系の新規吸収液を用いた実証試験を開始し,実用化に必要なデータ取得を進めてきた。本稿では,バイオマス発電施設,一般廃棄物処理施設において二つの吸収液耐久性評価試験をおこない,新規吸収液がこういった施設でのCO2分離回収技術に適用可能であることを確認した。

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X 線を用いた不燃ごみ中のリチウムイオン電池(LiB)検出技術の開発
角 﨑 青 周 *・的 崎 克 規*・河 村 洋 佑*・巽 圭 司 *鎌 田 全 一 *
(*装置技術部)

(要約)

リサイクル施設において,リチウムイオン電池の発火による火災が増加している。リチウムイオン電池による火災事故は,施設や設備の焼損によるごみ収集の停止や多額の復旧費用の発生など,市民生活に多大な影響を及ぼしており,早急な対策が求められている。当社では 2023 年度より産業技術総合研究所と,X 線撮影と画像認識 AIを組み合わせたLiB検出AIを共同開発しており,実機を想定した実証試験を実施した結果,AIが実用化レベルの性能であることを確認した。今後は,開発したLiB検出AIに加えて適切な通知方法を組み合わせたLiB検出システム全体としての最適化に取り組む。

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圧力波式ダスト除去装置(VSPS)への都市ガスおよびプロパン(LPガス)利用拡大に向けた取り組み
安 藤 秀 隆 *・巽 圭 司 *
(*装置技術部)

(要約)

当社が独自に開発・商品化した圧力波式ダスト除去装置(VSPS)は,これまでメタンを燃料ガスとして運転されてきた。今回,メタンに比べて調達コストの面で優れる都市ガスおよびプロパン(LPガス)が適用可能か確認するため,実験室における各燃料の運転特性の確認と実機でプロパン(LPガス)を用いた長期連続運転を実施した。その結果,VSPSの燃料ガスとして都市ガスおよびプロパンが適用可能であることを確認した。

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燃焼排ガス再循環法による窒素酸化物低減効果のシミュレーション
福 井 淳 平 *・伊 藤 竜 生*・増 田 孝 弘*・水 野 孝 昭 **・芹 澤 佳 代 **
(*研究部・**水処理技術部)

(要約)

ストーカ式下水汚泥焼却炉は一酸化二窒素の排出量が少ない一方,そのほかの窒素酸化物の排出量が高い傾向がある。既報1)では燃焼排ガス再循環法による窒素酸化物の低減効果を実証試験により確認した。本稿では,既報1)の実証試験を対象としたシミュレーションモデルを構築し,窒素酸化物の低減メカニズムの解明をおこなった。シミュレーション結果は実証試験における窒素酸化物濃度の変化傾向を良好に再現した。また,炉内の温度分布およびガス流動のシミュレーション結果から,再循環排ガスの供給位置の違いによって高温領域の縮小とガス混合促進の効果が異なることを示し,適切な供給位置の選択が窒素酸化物低減に寄与することを確認した。本モデルは新設炉設計における机上検討ツールとしての活用が期待される。

1) 階段式汚泥焼却炉における窒素酸化物の低減方法の検討 (その2),タクマ技報,Vol.27,No.2,pp.39-44 (2019)
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450℃超ボイラーの実現に向けた実機ばく露試験
今 井 大 樹 *・萩 田 諭 *
(*環境技術1部)

(要約)

一般廃棄物処理施設における高効率発電を目的としたボイラーの高温高圧化が進められているが,大きな課題として過熱管の腐食速度の増大があげられる。既報1)では,稼働中の廃棄物発電ボイラーに供試材(管材)を設置し,管内壁温度350℃〜450℃における過熱管の腐食状況を調査した結果について報告した。本稿ではさらなる蒸気高温化を見据えて管内壁温度360℃〜510℃の範囲で制御して腐食状況を調査した結果を報告する。SUS310S 系鋼管の減肉量は,管内壁および排ガス温度の両方に依存して増加する傾向が確認された。また,SUS310S系鋼管と高Cr,Mo系Ni基肉盛溶接管の比較では,すべての温度条件において高Cr,Mo系Ni基肉盛溶接管の減肉量の方が大幅に小さい結果が得られた。

1) 廃棄物発電ボイラーの高温蒸気化への取り組み,タクマ技報,Vol.26,No.1,pp.44-52(2018)
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札幌市駒岡清掃工場 運転報告
鈴 木 賢 *
(*環境技術3部)

(要約)

駒岡清掃工場は,稼働後30年以上が経過し老朽化が進む旧駒岡清掃工場の代替施設として更新するもので,2025年7月に竣工した。本施設は,最新の高性能ストーカ炉と高度燃焼・運転制御技術による安定稼働を実現するとともに,高効率発電システムにより国内最高水準の発電効率を達成し,同年8月より供用を開始している。本稿では,本施設の特徴と運転状況について報告する。

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