当社グループでは、コーポレート・ガバナンスの強化のほか、リスクマネジメントの強化、コンプライアンスの徹底を通じて、透明性が高く適正な意思決定が可能な体制の構築と、適切なリスクの把握と管理、また各種法令違反による事業停止、社会的な信用の低下を防ぐことで、企業価値の最大化をめざします。
コーポレート・ガバナンス報告書(2024年6月26日更新)[PDF形式:154KB]
長期にわたって当社の企業価値を守りかつ着実に増大させてゆくためには、事業の発展のみならず企業運営において明確なガバナンスが確立されていること、すなわち経営に対する株主の監督機能が適切に発揮され、また執行者による業務執行の過程が透明で合理的・効率的でかつ遵法であることが必要不可欠です。そのためにはコーポレート・ガバナンスの強化が当社にとって経営の最重要課題の一つであるという認識のもと、内部統制システムの構築を行うとともに、コンプライアンス意識の徹底を図るため「タクマグループ会社倫理憲章」および「タクマグループ会社行動基準」を定め、全役職員に配布し、啓蒙・教育に努めています。さらに内部通報窓口である「ヘルプライン」を社内および社外に設置し、社内通報制度を確立しています。取締役会は、毎年これらの取り組みに関する報告を通じて、「タクマグループ会社倫理憲章」および「タクマグループ会社行動基準」の遵守状況を監督しています。また、当社は監査等委員会に独立性の高い社外取締役4名を配置しており、業務執行者に対する監督機能を一層強化し企業価値を継続的に向上させていく所存です。
2024年6月25日現在
当社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く)6名および監査等委員である取締役5名(うち社外取締役4名)で構成され、毎月1回の定期開催を原則として必要に応じ適宜開催し、当社の経営にかかわる重要な事項や法令で定められた事項について意思決定を行うとともに、取締役の職務の執行を監督しています。
取締役11名(男性10:女性1) うち社外取締役4名(男性3:女性1)
取締役会付議・報告に関する内規に従い、当社の経営に関する基本方針、重要な業務執行に関する事項、法令及び定款に定められた事項を決議したほか、重要課題(マテリアリティ)に関するKPIの進捗状況、海外事業の取り組み、DX推進の取り組み、中長期的な事業拡大につながる研究開発テーマ等、中期経営計画の主要テーマに関する報告を行ったほか、第14次中期経営計画の策定に向けた事業ポートフォリオ、資本政策、M&A戦略および人的資本等の方向性に関する審議やIR活動における投資家との意見交換の内容のフィードバックを実施しました。
経営の意思決定の迅速化および経営責任の所在明確化のため、執行役員制度を導入し、会社の業務執行を委任された責任者として執行役員15名(取締役兼務を含む)を選任しており、取締役会に付議する事項および、その他業務執行に関する重要な事項を審議するとともに、取締役会での決議事項や業務執行にかかわる重要事項を的確に執行部門に指示・伝達する機関として社長執行役員を議長とする経営執行会議を設置しています。
監査体制として当社は監査等委員会設置会社制度を採用しており、5名の監査等委員(うち4名は社外取締役)で構成する監査等委員会が会計監査および業務監査にあたっています。監査等委員は、取締役会および経営執行会議等の重要な会議に出席し、業務執行状況の適時かつ的確な把握と監視に努め、必要に応じて意見を述べ、期末には全執行役員による内部統制システムに係る自己点検・評価を実施するなど、取締役の業務執行について厳正な監査を行っております。また、監査計画及び監査状況等について会計監査人および監査部から報告を受けるなど定期的に情報の交換を行いながら、お互いに連携を取り、監査等委員会が定めた監査方針等に従い各事業所、各部門および子会社の監査を行っております。なお、子会社については、子会社の取締役および監査役等と意思疎通および情報の交換を図り、必要に応じて子会社から事業の報告を受けております。
2023年度においては、監査方針と監査計画、職務分担、会計監査人の評価、取締役(監査等委員であるものを除く。)の選任および報酬案に関する意見形成および監査報告書案等を討議するとともに、監査計画の主要な監査項目に、次の項目を設定し活動しました。
また、取締役・執行役員の職務執行に関し、中期経営計画の主要施策が適切に実施されているか等と併せて、次の各事項について確認を行いました。
監査等委員会の職務を補助する部門として監査等委員会室を設置し、監査等委員が十分にその職務を行うことができる体制を整備しています。
取締役、執行役員の候補者選定および報酬の決定において透明性と客観性を高め、取締役会の監督機能の充実を図ることを目的として、人事・報酬諮問委員会を設置しています。また、構成員は独立役員(社外取締役4名)、代表取締役、人事担当役員の計6名であり、構成員の過半数を独立社外取締役が占めております。人事・報酬諮問委員会は、役員の選解任ならびに報酬に関する事項、最高経営責任者の後継者計画に関する事項を審議し、取締役会に答申します。同委員会から答申を受けた取締役会はこれを尊重し、十分に審議した上で決定しております。
2023年度においては、以下の事項について審議し、取締役会に答申しました。
取締役会は、有効な議論ができる適正な員数を維持し、当社の経営にかかわる基本方針や重要事項の決定、および取締役・執行役員の職務の執行を監督する役割を適切に果たすため、各取締役が持つ知識・経験・能力のバランスに配慮した構成とするものとしています。また、取締役会が定めた「役員選解任に関する方針」において、適正な選解任プロセスの確保、取締役候補・執行役員の基本要件、取締役候補・執行役員等それぞれの選任基準、取締役・執行役員の解任基準を定めています。
独立役員、代表取締役、人事担当役員で構成し、独立社外取締役が過半数を占める人事・報酬諮問委員会が、取締役会で定めた「役員選解任に関する方針」にもとづき代表取締役社長を含む取締役・執行役員の選解任について審議し、同委員会から答申・勧告を受けた取締役会はこれを尊重し、業務執行経歴、職務執行状況等を踏まえ十分に審議した上で最終決定しています。
当社は、独立役員の資格を充たす社外役員を全て独立役員に指定しています。
社外役員の独立性については、東京証券取引所の独立性基準に加え、当社が定める「社外役員の独立性判断基準」に基づき判断しています。
以下のいずれかに該当する場合には、当社にとって十分な独立性を有していないものとみなす。
※1「当社を主要な取引先とする者」とは、直前事業年度においてその者の連結売上高の2%以上の支払いを当社から受けた者をいう。
※2「業務執行者」とは業務執行取締役、執行役、執行役員その他の使用人等をいう。
※3「当社の主要な取引先」とは、直前事業年度において当社の連結売上高の2%以上の支払いを当社に行った者をいう。
※4「一定の額」とは、直前事業年度において、個人の場合は1,000万円以上、団体の場合はその者の総売上高の2%以上となる額をいう。
※5「主要株主」とは、総議決権の10%以上の議決権を保有している者をいう。
取締役会の実効性を高めるため、全取締役に対して取締役会の実効性に関するアンケートならびにヒアリングを年1回実施し、その結果を分析・評価し担当役員から取締役会に報告するとともに、その分析・評価の結果を取締役会において審議しています。
2023年度の評価においては、取締役会の構成、取締役会の運営、取締役会の責務、総評に加え、取締役会の監督機能の充実を図ることを目的として設置している人事・報酬諮問委員会の運営の5つの視点から取締役会の実効性に関する分析・評価を行いました。その結果、2024年度から始まった第14次中期経営計画策定に関する審議を複数回実施することで、事業ポートフォリオや資本政策等について議論が深まるなど、取締役会の機能向上・実効性確保に向けた取り組みが継続的になされており、当社取締役会の実効性は確保されていると判断されました。
2016年6月28日開催の第112期定時株主総会において、取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等の額を年額350百万円以内と定めることを決議しています。当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を除く)の員数は6名です。
また、2019年6月26日開催の第115期定時株主総会において、上記の報酬枠とは別枠で、譲渡制限付株式取得の出資財産とするための報酬として、取締役(監査等委員である取締役を除く)に対して、年額90百万円以内の金銭報酬債権を支給すること(これにより発行または処分される当社普通株式の総数は年120,000株以内)を決議しています。当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を除く)の員数は6名です。
また、2016年6月28日開催の第112期定時株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等の額を年額72百万円以内と定めることを決議しています。当該定時株主総会終結時点の監査等委員である取締役の員数は4名です。
取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等を決定するための方針として、取締役会決議により「役員報酬等に関する方針」を定めています。本方針は必要に応じ人事・報酬諮問委員会への諮問・答申を経て取締役会の決議により見直すものとしています。
取締役会決議が定めた役員報酬等に関する方針において、報酬決定にあたっての基本方針を以下のように定めています。
取締役および執行役員の報酬は、固定報酬、年度業績に応じて支給される賞与、中長期的な企業価値向上に対する動機づけのための株式報酬(譲渡制限付株式報酬)で構成しています。
報酬体系 | 内容 | ||
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報酬体系 | 固定報酬 | 内容 | 役位ごとにその役割と責務に応じた額を設定し月例で支給する。 |
報酬体系 | 賞与 | 内容 | 年度業績や目標達成度等の指標をもとに算定基準を策定し、同基準を目安として支給の要否、額を取締役会で決定し、毎年一定の時期に支給する。賞与の固定報酬(年額)に対する比率は、最大で40%を目安とする。 |
報酬体系 | 株式報酬 | 内容 | 事前交付型の譲渡制限付株式報酬とし、毎年一定の時期に、役位ごとにその役割と責務に応じた金銭報酬債権を付与し、当該金銭報酬債権の払込みと引き換えに当社株式を交付する。株式報酬の固定報酬(年額)に対する比率は、最大で40%を目安とし、上位の役位ほどその比率を高めるものとする。 |
なお、社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は固定報酬のみを支給するものとしています。
独立役員、代表取締役、人事担当役員で構成し、独立社外取締役が過半数を占める人事・報酬諮問委員会が役員報酬等に関する方針に基づき、報酬等に関する制度、各取締役の報酬等の額または算定基準、その他役員の報酬等に関する事項を審議し、取締役会に答申します。同委員会から答申を受けた取締役会はこれを尊重し、十分に審議したうえで決定します。
また、個別の報酬額の決定にあたっては、当社グループの業績状況、他社役員の報酬水準や従業員給与の水準等を踏まえ、その妥当性を検証するものとしています。
なお、監査等委員である取締役の報酬等は、株主総会で決議された額の範囲内で、監査等委員である取締役の協議により決定します。
当社グループは、主に受注生産型の事業形態であり、また、連結経常利益を最も重要な経営指標と位置づけていることから、年度業績に応じて支給する賞与の算定にあたっては、業績評価指標として連結受注額と連結経常利益を採用しています。
具体的には、当該年度における連結経常利益の額、連結経常利益の直近3か年の平均に対する伸び率、連結経常利益の目標達成率、連結受注額の目標達成率をもとに算定テーブルで係数を算定し、同係数に基づき賞与額を決定しています(連結経常利益の実績値は連結対象会社の役員賞与控除前)。評価対象となる目標値は、5月に発表する決算短信における業績予想数値を使用しています。
なお、資本効率性をより一層意識した経営を実践していくため、2024年度からの第14次中期経営計画の開始にあわせ、連結受注額と連結経常利益に加えて、ROEを業績評価指標に組み入れることとしました。
具体的には、当該年度における連結経常利益の額、連結経常利益の目標達成率、連結受注額の目標達成率、ROEをもとに算定テーブルで係数を算定し、同係数に基づき賞与額を決定することとします。
取締役に対する中長期的なインセンティブの付与および株主価値の共有を目的として、譲渡制限付株式報酬を付与しています。譲渡制限期間は当社普通株式の割当を受けた日から30年間とし、当該期間の満了もしくは当該期間中に死亡、任期満了、定年その他正当な事由により取締役会があらかじめ定める地位を退任した場合に譲渡制限を解除するものとしています。
役員区分 | 報酬等の 総額(百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
基本報酬 | 業績連動 報酬等 |
非金銭 報酬等 |
||||||||||
役員区分 | 取締役(監査等委員を除く) | 報酬等の総額 (百万円) |
269 | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 基本報酬 | 194 | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 業績連動報酬等 | 35 | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 非金銭報酬等 | 40 |
役員区分 | 取締役(監査等委員) (うち社外取締役) |
報酬等の総額 (百万円) |
56(36) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 基本報酬 | 56(36) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 業績連動報酬等 | - | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 非金銭報酬等 | - |
※業績連動報酬等は取締役(監査等委員を除く)に対する賞与。
※非金銭報酬は取締役(監査等委員を除く)に対する譲渡制限付株式の付与による報酬額。
当社の内部監査は、各執行部門から独立した社長直轄の専門監査部門である監査部が、当社及びグループ会社を対象とし、法令、定款、社内規則等に基づき内部統制の整備状況及び運用状況の評価を行い、また業務執行が適正かつ効率的に行われているかについて監査を実施しています。
内部監査は「監査部活動方針」「年度監査計画」にもとづき実施しています。
実施した内部監査の結果は、内部監査報告書に纏め、社長、監査等委員へ内容報告後、関係部署へ配布します。改善・是正等の対応が必要な場合はその旨を内部監査報告書に記載し、社長承認を得た内部監査報告書を関係部署へ配布することで社長からの対応指示とします。この指示を受けた部署は速やかに対応を行い、その実施の可否、改善計画等、措置の状況を措置回答書で監査部経由社長へ報告しています。
行動規範/倫理規範の各(遵守)項目に関連するものとして、主には以下の内容を監査しています。