株式会社タクマ(本社:兵庫県尼崎市、社長:加藤隆昭)はこのたび、札幌市下水道河川局が発注する「防災・安全交付金事業 西部スラッジセンター新1系焼却施設焼却機械設備新設工事」(以下、「本工事」)を受注いたしました。
本工事は、西部スラッジセンター※1に設置されている1系汚泥焼却炉の老朽化に伴い、これを更新するもので、当社は高温省エネ型焼却炉であるストーカ炉と、焼却廃熱による蒸気発電設備を組み合わせた、省エネ・創エネ型の汚泥焼却システムを納入します。
札幌市は、「札幌市下水道ビジョン2020」において低炭素・循環型都市の実現に向け、地球温暖化対策の一環として下水道施設への更新時期に合わせた省エネルギー設備の導入による温室効果ガス削減を掲げています。また、下水道資源の有効利用としては、汚泥焼却灰の100%有効利用を既に達成していますが、さらに下水汚泥が有する未利用エネルギーを積極的に利活用することが求められています。当社が納入する省エネ・創エネ型の汚泥焼却システムは、汚泥の持つエネルギーを焼却廃熱のカスケード利用※2により積極的に有効利用するもので、従来の焼却システムと比べ大幅な使用電力削減を実現し、札幌市が掲げるこれらの施策に貢献するものです。
当社における省エネ・創エネ型汚泥焼却システムの受注は、東京都下水道局多摩川上流水再生センターに続き、2件目となります。全国では約300基の下水汚泥焼却施設が稼働しておりますが、低炭素・循環型社会の実現に向け、下水汚泥の資源・エネルギーとしての有効利用ニーズがこれまで以上に高まっております。当社は省エネ・創エネ型汚泥焼却発電システムについて積極的な事業展開を図っており、全国の汚泥焼却設備建設工事においても積極的に提案を進めていく予定です。
発注者:
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札幌市下水道河川局 |
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受注者:
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(株)タクマ |
工事名:
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防災・安全交付金事業 西部スラッジセンター新1系焼却施設焼却機械設備新設工事 |
建設場所:
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札幌市手稲区手稲山口322-4ほか |
工事内容:
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汚泥焼却炉(ストーカ炉)の設計・製作・据付・試運転 |
施設概要:
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施設規模
: 100t/日×1炉
炉形式
: ストーカ炉
廃熱利用
: 乾燥設備、結露防止設備、蒸気発電
発電出力
: 約200kW
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契約金額:
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4,100,000,000円(消費税相当額を含まず) |
契約工期:
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2017年8月21日 ~ 2021年3月15日 |
汚泥乾燥機、階段式ストーカ炉、廃熱ボイラ、蒸気発電機、バイナリ発電機等を組み合わせて導入することで、補助燃料を使用することなく、低消費電力と蒸気発電により使用電力削減を実現し、さらには汚泥性状によっては、焼却設備での消費電力を発電電力により賄うことができ、電力自立も可能な焼却システムです。また900~1100℃程度の高温燃焼により、温室効果ガスである一酸化二窒素(N2O)の排出を削減できます。本システムの導入により、省エネ・創エネはもとより、使用電力量の低減、温室効果ガス削減効果が得られます。
※1: 西部スラッジセンター
札幌市の下水汚泥は、豊平川左岸と右岸の2か所のスラッジセンター(西部スラッジセンター、東部スラッジセンター)で集約処理を行っています。西部スラッジセンターは、豊平川左岸地域で発生する汚泥を焼却処理しています。
※2: カスケード利用
カスケードとは元々は、段々になっているもの・段階的に連なっているものという意味を持っています。ここで言うカスケード利用とは、資源やエネルギーは利用すると質は下がりますが、その下がったレベルに応じて、これらを再度連続的に利用することを意味しており、本システムでは廃熱ボイラから発生した高温域の熱を蒸気発電機で発電し、その排蒸気を乾燥機や空気予熱器に利用しつつ、余剰分をバイナリ発電機で更に発電します。