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タクマ技報 VOL.26NO.1(2018年06月発行)

表紙写真:宇和島地区広域事務組合環境センター

タクマ技報 VOL.26NO.1(2018年06月発行)

電力の地産地消について-タクマエナジーにおける事例をふまえて-

中島 大輔*・西村 賢一*・樫本 茂樹*
(*業務2部)

(要約)

2012 年の再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT 制度) 施行以降,太陽光発電所やバイオマス発電所などのいわゆる分散型電源の建設が進んでいる。また2016 年の電力小売全面自由化以降,需要家に電力を販売する小売電気事業者には業者間の競争の激化から,価格以外での差別化が求められている。その手法の一つとして電力の地産地消の取り組みがすすめられており,本業とのシナジー効果を狙うプラントメーカーや地域企業のほか,地域活性化を狙う地方自治体による取り組み事例が相次いでいる。本稿では,当社グループ会社のタクマエナジーの事例とともに,電力の地産地消の取り組みについて紹介する。

宇和島地区広域事務組合環境センター運転報告

清水 剛生*
(*環境技術3部)

(要約)

2017 年9 月に宇和島地区広域事務組合環境センターが竣工した。本センターは,愛媛県南予地域の宇和島市,松野町,鬼北町,愛南町の1 市3町,それぞれの計5 か所の既存ごみ処理施設を統合し,広域ごみ・脱水汚泥の処理を行うための施設である。本センターの熱回収施設では,発注仕様の公害防止基準値よりもさらに厳しい基準値にて運転を行っている。竣工にあたって実施した引渡性能試験では,これらの項目で各基準値を十分満たす結果が得られた。本稿では,引渡性能試験の結果と本施設の特徴である高効率ごみ発電と汚泥混焼に関する運転状況について報告する。

飯能市クリーンセンター運転報告

渡辺 純*
(*環境技術3部)

(要約)

当社が2013 年4 月に飯能市殿より受注したごみ処理施設「飯能市クリーンセンター」が2017 年12 月に竣工した。本施設は熱回収施設とリサイクル施設から構成され,熱回収施設ではごみを焼却した際の廃熱を利用して発電を行っている。焼却施設の規模は40 t/日×2 炉であるが,ごみ焼却により発生した熱エネルギーを回収し,蒸気タービン発電機による発電で所内消費電力を賄い,余剰時は売電している。本稿では,熱回収施設の特徴およびその運転状況について報告する。

廃棄物系バイオマスの有効活用に向けたタクマの取り組み-都市ごみ乾式メタン発酵技術-

森岡 泰樹*
(*環境技術1部)

(要約)

本稿では,廃棄物系バイオマスの有効活用の一つである都市ごみ乾式メタン発酵技術に関する当社の取り組みについて報告する。当社の採用している高温乾式メタン発酵方式(Kompogas®システム) は,有機物の分解速度が速く,異物混入に強いという特長があり,都市ごみメタン発酵に適した方式である。1999 年に実証プラントを建設して以来,当社ではこれを含め3 件のメタン発酵施設を建設し,2 施設を設計・建設中である。2013 年に納入した南但クリーンセンターでは,運転開始から約5 年間が経過しており,安定的なごみ処理と発電を継続している。2016 年に受注した町田市熱回収施設等(仮称) では,バイオガス化発電とごみ焼却発電の2 つの発電方法により,総合的なエネルギー効率を高めている。廃棄物系バイオマスの有効活用および温室効果ガス削減の観点から優れた技術である都市ごみ乾式メタン発酵のさらなる普及・発展が期待される。

廃棄物発電ボイラーの高温蒸気化への取り組み

中本 明信*・巽 圭司*・高橋 広光*・柴田 清*
(*装置技術部)

(要約)

従来,国内の廃棄物発電ボイラーの蒸気条件は,過熱管材の高温腐食問題により4MPa,400℃以下におさえられてきたが,近年では,材料の腐食特性の研究が進められた結果,発電の高効率化のため蒸気温度が400℃を上回る施設も建設されている。本稿では,稼働中の廃棄物発電ボイラーにSUS310S 系鋼管,高Cr 型および高Mo 型Ni 基肉盛溶接†管,高Cr 型Ni 基自溶合金溶射††管を供試材とし,目標とする蒸気温度を450℃に設定して,約4ヵ月間ばく露試験を行い各供試材の減肉量および腐食現象について知見を得た。

未利用熱回収技術の開発

土肥 弘敬*・叶 雅由*・工藤 隆行*
(*技術開発部)

(要約)

下水汚泥の持つエネルギーの有効利用のため,中小規模下水汚泥焼却施設のうち、発電設備を持たない新設および大幅な改造を要しない既存施設への導入をターゲットに,新たな発電システムを開発した。このシステムは,排ガス中の硫黄酸化物による低温腐食の回避が可能な真空式ヒーターと,直接熱交換式のバイナリー発電を組み合わせたものである。実規模施設の1/3 規模の実証設備を製作し,ガス量1,000〜2,000 m3N/h,入口温度約700℃の排ガスから真空式ヒーターで熱回収し,その熱をバイナリー発電に供給する実証試験を行った。その結果,真空式ヒーターを所定の温度,圧力で運転することができ,低温腐食防止効果も確認された。また,バイナリー発電機への入熱200〜360 kW の範囲で,延べ24 日の発電運転を実施し,本システムの有効性が確認できた。

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