タクマ技報 VOL.25NO.1(2017年06月発行)

表紙写真:クリーンパーク北但

タクマ技報 VOL.25NO.1(2017年06月発行)

下水汚泥焼却灰の有効利用

萩田 諭*・水野 孝昭*・株丹 直樹*・宍田 健一*
(*水処理技術部)

(要約)

現在,国内で発生する下水汚泥は約7 割が焼却処分されており,焼却灰の有効利用が課題となっている。自治体からも焼却灰の有効利用を求められるケースが増加しており,多くの企業・研究機関において有効利用方法が検討されている。有効利用方法は,建設資材としての利用と緑農地利用に大別される。建設資材化においては,現在中心となっているセメント原料としての利用から脱却し,利用用途の多角化を目指す試みがなされている。緑農地利用においては,近年のリン鉱石価格高騰の影響もあり,焼却灰中のリンの活用に向けた研究開発が活発に行われている。一方,下水汚泥焼却灰をリン資源として活用する場合,肥料取締法に定められている重金属含有基準を保証することや,リンを植物に吸収されやすい形態に変化させることが課題となる。また,コストや利用先確保の課題もあり,現状では実用化されている技術は限られている。より付加価値の高い焼却灰の有効利用方法の提案に向け,多角的な検討を行っていくことが必要である。

クリーンパーク北但 運転報告

松本 暁洋*
(*環境技術3部)

(要約)

2016 年8 月にクリーンパーク北但が竣工した。本施設は,兵庫県北但地域の豊岡市,香美町,新温泉町の1 市2町,それぞれのごみ処理施設を統合し,広域ごみ・汚泥の処理を行うための施設である。本施設では,「要求水準を上回る自主管理値の設定」および「高効率ごみ発電交付要件(発電効率14%) を上回る事業提案」を行い,運営事業を継続している。本稿では,それらの結果と施設の特徴である高効率ごみ発電に関する運転状況について報告する。

FIT向け木質バイオマス発電設備の運転報告

吉本 聡*・喜多 照行*
(*エネルギー技術1部)

(要約)

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT) が2012 年7 月に施行されて以降,当社では2017 年1 月末までに18 件の同制度向けバイオマス発電設備を納入した。当社は,燃料の種類や施設規模によって燃焼方式を選択するが,納入した18 件のうち8 件で高水分の木質バイオマス燃料に適した気泡流動層式を採用している。本稿では,2015 年12 月1 日に営業運転を開始した,(株)タケエイ殿グループにおける発電事業の第一号となる(株)津軽バイオマスエナジー殿に納入した,気泡流動層式FIT 向け木質バイオマス発電設備の設備概要および運転状況について報告する。

分散型PLC 計装システムの導入事例

田中 淳一*
(*電気計装部)

(要約)

諏訪湖周クリーンセンターに導入したPLC 計装システム「TS-PAT1000」は,ごみ焼却プラントや汚泥焼却プラントの監視制御システムや自動燃焼制御システムとして多くの納入実績がある。TS-PAT1000 の最大システム規模は,発電付きごみ焼却プラントの監視制御システムの機器構成,画面数,計器数および性能等に対して余裕があり,一般的なDCS (分散型制御システム) と同等である。また,運転・維持管理総合支援システム(POCSYS®)や遠隔運転システムにも拡張,応用できるシステムであり,2017 年3 月には遠隔運転支援の検証を行った。

消石灰のオンサイト製造技術の開発

奥村 拓也*・工藤 隆行*
(*技術開発部)

(要約)

都市ごみ焼却施設やボイラープラントから発生する排ガスに含まれる酸性ガス(HCl,SOx) の除去に要する薬剤費を低減する目的で,オンサイトで生石灰(CaO) から消石灰(Ca(OH)2) を製造する技術を開発した。現在までに,30 kg/h の消石灰製造能力を持つ実証設備を製作し,それを用いて製造した消石灰の物性および酸性ガス除去性能を評価した。その結果,製造した消石灰の物性および酸性ガス除去性能は,市販のJIS 特号消石灰と同等以上であることを確認した。また,薬剤を加えて高性能化した消石灰の酸性ガス除去性能も,市販の高反応消石灰と同等であることを確認した。

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