タクマ技報 VOL.23NO.1(2015年6月発行)

表紙写真:大田清掃工場

タクマ技報 VOL.23NO.1(2015年6月発行)

株式会社タクマにおける廃熱ボイラーの変遷

芝川 重博*
(*取締役 元副社長)

(要約)

当社は1952年以来、各種の工業炉や廃棄物焼却炉用に現在までに450缶を超える廃熱ボイラーを国内外に供給してきた。廃熱ボイラーは各種燃料焚ボイラーとは異なり、熱回収すべき熱源のプロセスごとに計画・設計において考慮しなければならない点がある。また、工業界の歴史的変遷とともに廃熱ボイラーが設置される熱源も変化している。重工業が盛んな時代には各種工業炉に設置する廃熱ボイラーが多く、その後省エネルギーを目的としたものや公害対策上必要となったもの、熱電併給を目的としたもの等が増加してくる。本稿では廃熱ボイラーの型式・構造の分類と廃熱ボイラーの特徴ならびに当社が供給した廃熱ボイラーの事例を紹介する。

播磨工場におけるボイラー製造技術

矢根 大輔*
(*播磨工場 生産課)

(要約)

当社播磨工場は、タクマ式ボイラーの製造工場として1942年に操業を開始して以降70年以上の歴史を持っており、現在でも産業用水管ボイラーのボイラードラムを中心としたものづくりを行っている。ボイラーは数MPaという高い圧力がかかる製品であり、その安全性確保という観点から、各種法令、規格が厳しく定められており、品質要求の高い製品である。播磨工場では、ボイラードラムの製造について、材料取り罫書きから出荷までの全工程を自社工場で行っており、全ての工程について必要な生産設備および製造技術を有している。本稿では、ボイラーの種類および当社の水管ボイラーについて説明するとともに、播磨工場でのボイラー製造技術のうち主にボイラードラムについて解説する。また、技能の継承、品質管理、海外調達といった工場の取組についても紹介する。

東京二十三区清掃一部事務組合殿向大田清掃工場-施設の特徴および運転報告について-

中塚 大輔*
(*環境技術1部)

(要約)

2014年9月に一般廃棄物処理施設である東京二十三区清掃一部事務組合殿向大田清掃工場が竣工した。本施設の性能については、試運転期間中に実施した各種性能試験において、全ての項目で保証値を十分に満足する結果が得られた。また、本施設は「高効率ごみ発電」「自然エネルギー利用」「見学者への配慮」という点に注力しており、それぞれに従来にはない工夫を施した特徴を有する施設となっている。特に、本施設の最大の特徴である高効率ごみ発電に関して、蒸気タービン発電機の最大出力時に発電効率22.7%、蒸気タービンの部分負荷運転時に発電効率22.0%を達成した。乾式排ガス処理に比べて発電効率が低下する湿式排ガス処理方式を採用しているにもかかわらず、高効率ごみ発電施設の交付要件(環境省)である発電効率20%以上を十分に満足する結果が得られた。

固定床型アナモックスプロセスによる高効率窒素除去技術に関する技術実証研究 その4
 -低コスト化の検討-

高木 啓太*・久留須 太郎*・土井 知之*・宍田 健一*
(*水処理技術部)

(要約)

熊本市東部浄化センター内に設置した実施設規模の「固定床型アナモックスプロセス」の実証プラントを用いて、B-DASH(平成24~25年度)終了後の平成26年度は本プロセスのさらなる低コスト化を目的とした検討を実施した。加温用燃料の低減を目的とした亜硝酸化槽の水温低下試験では、これまでの35℃から30℃に低下させても亜硝酸化処理は安定し、約3.5ヶ月間の定常条件での連続運転ではプロセス全体として窒素除去率80%程度が得られ、高い処理性能を安定して維持した。また、流量調整槽の容量縮減を目的とした停止・再稼働試験では、本プロセスの運転を長期間または短期間停止する際の操作条件を確立し、再稼働後速やかに元の処理性能に回復することを確認した。

下水道バイオマスからの電力創造システムに関する技術実証研究 その2

水野 孝昭*・島村 太*・宮川 透*・株丹 直樹*・宍田 健一*
(*水処理技術部)

(要約)

国土交通省が実施する「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」において、焼却量35t-wet/日、発電量100kWの下水汚泥焼却発電システムの実規模実証施設(2013年度建設)を用いて、消費電力の少ない焼却システムおよび自燃運転による省エネ効果、発電による創エネ効果のほか、コスト縮減効果などを評価した。本研究では3つの革新的技術(低含水率化技術・エネルギー回収技術・エネルギー変換技術)の目標を達成でき、下水汚泥焼却熱を利用した発電を実規模レベルで実証することができた。またケーススタディの結果から、一定規模以上の下水処理場に本システム技術を導入することで、下水処理場全体の消費電力の概ね30%を削減でき、維持管理費ならびに温室効果ガス排出量を大幅に削減した。本稿では、2014年度の実証施設の運転状況および各種性能について報告する。

ストーカ式焼却炉における排ガス再循環および無触媒脱硝による低NOx燃焼

山崎 裕貴*1・井藤 宗親*1・安榮 健*2
(*1技術開発部、*2環境技術1部)

(要約)

廃棄物分野における地球温暖化対策の推進、再生可能エネルギーの有効利用の観点からごみ発電の高効率化が強く求められている。その方策のひとつとして、ごみ焼却炉で発生する窒素酸化物を燃焼制御および無触媒脱硝技術により炉内で排ガス規制値以下に低減することができれば、触媒脱硝法によるNOx除去が不要となり、触媒反応塔自体の省略、あるいは排ガス再加熱器で用いる蒸気量の削減により発電効率を向上させることができる。この度、当社は排ガス再循環技術および無触媒脱硝技術を高度化した低NOx燃焼技術を実施設に導入し、都市ごみ焼却炉で発生する窒素酸化物濃度が炉内で30ppm以下(O2 12%換算値)となる安定運転を実現した。炉内で規制値以下までNOxを低減することで、触媒反応塔をダイオキシン分解用として利用でき、排ガス再加熱用蒸気量を削減した結果、発電量の向上を達成した。

尿素分解装置を用いた無触媒脱硝試験

倉田 昌明*・藤川 宗治*・藤平 弘樹*・前田 典生*
(*技術開発部)

(要約)

触媒で尿素を分解して得たアンモニアを、脱硝用還元剤として炉内に噴霧するシステムを開発した。まず、実機スケールのパイロット試験装置を製作し、基礎データを採取して尿素からアンモニアへの転換率が100%となる条件を確認した。その後、尿素分解装置を都市ごみ焼却施設に設置して無触媒脱硝試験を実施した結果、既存の尿素水吹込み方式に比べ脱硝用還元剤である尿素水の使用量を約50%削減することができた。

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