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タクマ技報 VOL.22NO.1(2014年6月発行)

表紙写真:生ごみバイオガス化設備(柏の葉スマートシティ)
タクマ技報 VOL.22NO.1(2014年6月発行)

巻頭論説

「幅を持つ」下水処理システムへの展開

解説

バイオマスのガス化技術-熱分解ガス化、バイオガス化-
井藤 宗親*・河野 孝志*
(*技術開発部)
(要約)

当社はさまざまなバイオマスを燃料とするボイラによる熱回収・発電プラントの納入実績を数多く有している。これらを納入する過程でそれぞれのバイオマスの特性や燃焼に関する知見、技術を蓄積してきた。一方でバイオマスのエネルギー変換技術には「燃焼」だけでなく、「熱分解ガス化」、「バイオガス化(メタン発酵)」があり、燃焼して熱エネルギーとして利用するだけでなく、ガスへと変換することによりエネルギー利用の高効率化と用途拡大へとつなげることが可能となる。本稿では、バイオマスのガス化変換技術に焦点を絞り、熱分解ガス化、バイオガス化について技術概要を整理し、当社の取り組みの事例を紹介する。

報告

南但クリーンセンター バイオマス設備の運転報告
河村 公平*
(*環境技術2部)
(要約)

当社は、2013年8月末に南但広域行政事務組合殿に一般廃棄物処理施設を納入した(2010年9月受注)。本施設は、一般廃棄物の焼却およびメタン発酵を組み合わせたコンバインド方式の高効率原燃料回収施設とリサイクルセンターから構成されている。高効率原燃料回収施設では、可燃性粗大ごみを除く収集可燃ごみを機械選別することにより得られた発酵対象ごみをメタン発酵し、回収したバイオガスをガスエンジンの燃料として発電を行う。得られた電力のうちメタン発酵設備と発電設備に必要な電力を除いた余剰電力を固定価格買取制度(FIT)により外部へ売電している。また、機械選別により除去されたプラスチック類を主とする発酵不適物と発酵残渣を併設する焼却炉で焼却し、発生した排ガスからの熱回収により余熱利用を有効に行っている。

固定床型アナモックスプロセスによる高効率窒素除去技術に関する技術実証研究 その2
高木 啓太*・久留須 太郎*・入江 直樹*・宍田 健一*
(*水処理技術部)
(要約)

国土交通省が実施する「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」において、当社は熊本市および日本下水道事業団と共同で「固定床型アナモックスプロセスによる高効率窒素除去技術に関する技術実証研究」を実施した。本事業は、下水処理場における嫌気性消化汚泥の脱水ろ液を処理対象としたアナモックス実証プラントを建設し、窒素除去性能に係るデータ採取などを実施したものである。2012年度の実証運転期間では、総無機性窒素濃度318~437mg-N/Lの脱水ろ液原水を対象とした処理水量50m3/日の連続運転において、アナモックスプロセスの処理性能として平均窒素除去率82%が得られ、当初掲げた目標を達成した。

高速移床型砂ろ過器による栄養塩類除去の実証試験報告
福沢 正伸*1・土井 知之*1・和田 直也*2・日下部 武敏*2・清水 芳久*2
(*1水処理技術部、
*2京都大学大学院工学研究科)
(要約)

当社は移床型砂ろ過器による栄養塩類除去手法を開発してきた。同砂ろ過器は薬品添加設備を追加するだけで栄養塩類除去に対応でき、高度処理の早期導入に適した設備である。今回、ろ過速度の高速化により省スペース化を図った高速移床型砂ろ過器を用いて、窒素およびりんの除去性能と高濃度原水に対するSS除去性能を調査するため、2013年2月より2014年3月まで下水処理場にて実証試験を実施した。窒素除去(脱窒ろ過)試験では、ろ過速度450~600m/日の高速ろ過の条件で長期連続運転を実施した結果、ろ過水のNO3-N濃度は制御の目標値近くの水質が安定して得られ、SS濃度は概ね0.5mg/Lを示し、窒素およびSSを高度に同時除去可能であった。流量変動に対しては、ろ過速度700m/日でも安定した窒素除去が可能であった。りん除去(凝集ろ過)試験では凝集剤と原水PO4-P濃度の添加モル比(Al/P)とろ過水PO4-P濃度の関係を把握した。また高濃度SS原水に対しても連続運転可能であり、従来の固定床砂ろ過の4~5倍程度のSS補足量を示した。

京都市鳥羽水環境保全センター 階段炉乾燥・焼却設備長寿命化工事
中西 譲*・株丹 直樹*
(*水処理技術部)
(要約)

本長寿命化工事は、20年余の運転により老朽化した下水汚泥の乾燥・焼却設備を更新し、安定的な運転を継続させることを目的としたものである。2008年10月から2014年2月までの期間に、二つある階段式ストーカ炉の共通停止期間を極力短くすることを考慮しながら、各設備の撤去・更新をおこなった。長寿命化工事後の乾燥・焼却設備は、排ガス測定値および焼却主灰の溶出試験の基準値を満足し、各設備について安定的に運転できることを確認した。また、本焼却設備の燃焼過程で発生するN2Oについては、N2O排出係数が従来型流動焼却炉の850℃燃焼時の省令値に比べて、約1/10であることを確認した。

回転ドラム型濃縮機を用いた汚泥の低含水率化技術の実証試験報告
和田 浩幹*・島村 太*・宮川 透*
(*水処理技術部)
(要約)

国土交通省が実施する「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」において、当社は、和歌山市、日本下水道事業団、京都大学、(株)西原環境と共同で「下水道バイオマスからの電力創造システムに関する技術実証研究」を平成25年度事業として実施した。本事業では、脱水汚泥の低含水率化技術として、機内二液調質型遠心脱水機を採用しており、本装置への供給汚泥濃度を安定させることを目的に、脱水機の前段に当社の回転ドラム型濃縮機を設置したシステムを採用している。2013年8月より実証プラントを建設し、その後の動作試験により、濃縮機は安定して濃縮汚泥濃度4%以上を維持し、脱水機は安定して70%以下の脱水汚泥含水率を得ることができ、当初の目標性能を達成できることを確認した。

下水道バイオマスからの電力創造システムに関する技術実証研究
水野 孝昭*・島村 太*・宮川 透*・株丹 直樹*・宍田 健一*
(*水処理技術部)
(要約)

国土交通省が実施する「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」において、当社は、和歌山市、日本下水道事業団、京都大学、(株)西原環境と共同で「下水道バイオマスからの電力創造システムに関する技術実証研究」を平成25年度事業として実施した。本稿では、当社が担当した焼却・熱回収・発電部分について、低含水率脱水汚泥(含水率70%程度)の高温燃焼によるN2O排出量削減効果、廃熱ボイラの安定した熱回収、スクリュー式発電機+バイナリー発電機での発電量について報告する。

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廃棄物処理プラントの保全情報管理システム

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