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タクマ技報 VOL.21NO.2(2013年12月発行)

表紙写真:南但クリーンセンター
タクマ技報 VOL.21NO.2(2013年12月発行)

寄稿

[ご挨拶]創業の精神

巻頭論説

燃焼の基礎研究の現状について-噴霧燃焼の複合光学計測と数値シミュレーション-

解説

小型家電リサイクル法について
太田 智久*
(*東京技術企画部)

(要約)

携帯電話,パソコン等の使用済小型家電に含まれる金属資源の再資源化を促進するため,小型家電リサイクル法が2013年4月1日から施行されている。この法律はすべての関係者が協力しながら応分の役割を果たす促進型の制度で,使用済小型家電の効率的収集・リサイクル実施のため,①消費者・事業者は適正排出を,②市町村は分別収集を,③小売業者は消費者の適正な排出に協力し,④製造者は再資源化しやすい製品の製造と再生資源の利用を,⑤国は資金確保と教育・広報活動を行う等,適切な役割分担の下で積極的に参加することを求めている。再資源化を促進するための措置として,新たに認定事業者という仕組みを創設し再資源化事業に積極的に取組むこととしている。使用済小型家電の再資源化を促進するためには広範な国民の取組も求められる。

報告

「玉村町クリーンセンター」の運転報告および基幹改良工事のCO2削減効果について
赤江 宣勇*
(*環境技術2部)

(要約)

基幹改良工事を実施した玉村町殿向け焼却施設が2013年3月に竣工した。本工事は,20年以上稼動している施設の老朽化対策と,竣工当初の設計ごみ質に比べ高カロリー化したごみ質に対応することを目的とした基幹改良工事であり,引渡後現在に至るまで良好な運転を継続している。本施設では,既存施設に比べた低空気比燃焼,送風機のインバーター化や高効率電動機を採用することで,改良工事前と同等のごみ処理量で実施した確認試験において,CO2排出量を45%削減することができた。

Lakeside Energy from Waste Facility Availability
谷 良二*
(*環境技術2部)

(要約)

本施設は英国(UK)に納入した一般廃棄物焼却発電設備であり,2010年1月に納入したものである。契約規定に従い,引渡し後に年間の運転性能検証(Availability Test)を実施した。この検証の合格条件は,年間の運転性能(Availability)がMCR1)換算87%以上という極めて高いものであったが,その結果は90%を超えるという良好な結果が得られ合格した。

1)MCR:Maximum Continuous Rating(最大連続出力)

災害廃棄物(相馬市・新地町)仮設焼却炉運転報告
清水 剛生*
(*環境技術2部)

(要約)

2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波により,被災地には大量の災害廃棄物が発生した。本稿では,被災地の早期復興のため,環境省より2012年5月に受注した災害廃棄物仮設焼却炉における設計経緯および運転状況について報告する。

本施設の焼却処理能力は,1,2号炉が階段式ストーカー炉150t/日×2炉,3号炉が回転式ストーカー炉270t/日×1炉の合計570t/日である。2013年2月に性能確認試験を実施し,各保証値を満足する結果を得た。放射性物質濃度や空間線量率の測定を含め,運転管理を確実に行い,2012年度の運営業務を完了し2013年3月末に竣工した。

タイ国における新型シングルパスバガス焚ボイラの運転報告
山下 雅英*・大森 耕作*・熊代 浩吉*
(*エネルギー技術1部)

(要約)

近年タイ国において,サトウキビ収穫の機械化などの影響により,バガス焚ボイラの燃料であるバガス(サトウキビの搾りかす)中に含まれる砂分が増加している。当社グループは,砂の増加に対応するために,ボイラ伝熱部においてガスを方向転換させるバッフルを持たないシングルパスタイプのバガス焚ボイラを新たに設計し,タイ東北部Loei 県のMitr Phol Bio-Power (Phu Luang) Co., Ltd. (以下M. P. B. 社と略す) およびUdonthani 県のTSM Power Co., Ltd. に合計4缶のボイラを納入した。M. P. B. 社に納入したシングルパスボイラの試運転では,ボイラの伝熱性能が計画を十分に満足し,排ガス関係諸数値も計画値を下回ることを確認した。本稿では,M. P. B. 社のシングルパスボイラの設備概要と運転状況について報告する。

放射性セシウムの分離除去システム「t-RECs®」(第2報)
藤川 宗治*・岩本 敬弘*・河野 孝志*
(*技術開発部)

(要約)

焼却飛灰に含まれる放射性セシウムを分離除去し,濃縮処理するシステム「t-RECs®」についての第2報である。セシウム抽出工程において,抽出率に影響を及ぼす因子の液固比,洗浄時間,洗浄温度について検討した。セシウム濃縮・貯留工程では,飛灰洗浄水を分子認識吸着剤で処理して得られた濃縮セシウム液をゼオライトに固定化すれば飛灰洗浄水をそのままゼオライトで吸着処理するよりもその使用量が約1/200になることを確認した。また,オンサイトにおいて実用規模の装置を用いて放射性セシウムを含む飛灰を処理する実証試験を行い,ラボスケールと同等の性能が得られた。最終排出物に関する減容効果試算では,1,000,000 Bq/kg まで濃縮する場合には従来方法に比べ280倍の減容効果があり,最終処分場の保管スペースを大幅に削減できることを明らかにした。

廃棄物燃焼にともなうセシウムの焼却残渣への移行挙動
河野 孝志*・井口 拓*・島岡 隆行**
(*技術開発部、
**九州大学大学院工学研究院)

(要約)

廃棄物の種類およびその燃焼条件によって,廃棄物中に含まれるセシウムがどのような挙動を示すかを確認した。5種類の廃棄物(①RDF(2種類),②建築廃材である木屑,③RPF,④下水汚泥)を用い,それぞれの廃棄物に安定セシウムを添加し,電気炉を用いたラボ試験,およびストーカー式焼却炉を用いたパイロット試験にて燃焼を行い,焼却主灰へのセシウム残存率(残渣中の難水溶性セシウム量/投入したセシウム量) を確認した。その結果,ラボ試験,パイロット試験とも燃焼する廃棄物の種類によってセシウム残存率(RDF5~20%,木屑30%,RPF30%,下水汚泥85%)が異なることを確認した。

第二世代バイオディーゼル燃料化技術 -燃料化基礎試験-
林 一毅*・佐藤 和宏*・角田 芳忠*・中村 一夫**
(*技術開発部、**(公財)京都高度技術研究所)

(要約)

当社は,京都市殿および(公財)京都高度技術研究所殿を主体とする「第二世代バイオディーゼル燃料化技術」の研究開発事業(環境省「地球温暖化対策技術開発・実証研究事業」)に技術検討会メンバーとして参画している。本事業は接触分解法により廃食油を燃料化する技術に燃料精製(水素化処理)技術を組み合わせることにより,高品質のバイオディーゼル燃料を製造し,車両利用における適合性を確保することを目的としている。初年度の2012年度は燃料製造・精製に関する基礎試験を行い,接触分解反応において反応温度などの条件を制御することにより,分解油(軽油)収率55vol%,重質分・ナフサ分も含めた収率70vol%(理論収率85vol%)を達成した。また接触分解で得られた分解油を石油精製会社で水素化処理することにより,オレフィンがパラフィンに変換され,市販軽油と同等の酸化安定性を持つバイオディーゼル燃料が得られることを確認した。

ごみ焼却施設における逆浸透膜を用いた排水リサイクルシステムの実証
石見 秀裕*
(*水処理技術部)

(要約)

近年のごみ焼却施設で要求される排水クローズド(無放流)システム及び高効率発電を満たす手段としてRO膜処理システムの実証テストを実施した。テストは,ごみ焼却施設内にテスト装置を設置し,実排水を使用して実施した。テストの結果,MF+RO膜処理システムは入口条件により活性炭等の付帯設備が必要となる可能性があるものの,ごみ焼却施設の排水処理として適用可能であり,その処理水は,機器冷却水等のプラント水として再利用可能な水質であることが確認された。

受賞

高効率真空式ガス温水機 GTLシリーズ

海外視察

欧州RDF市況と展望に関する調査報告書
アジア海外視察団に参加して

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