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タクマ技報 VOL.20NO.2(2012年12月発行)

表紙写真:金沢市西部環境エネルギーセンター
タクマ技報 VOL.20NO.2(2012年12月発行)

寄稿

タクマ技報発刊20年に寄せて

巻頭論説

廃棄物処理業の海外展開に期待する

解説

再生可能エネルギーの固定価格買取制度について-バイオマス発電を中心に-
宇野 晋*・太田 智久*
(*東京技術企画部)

(要約)

再生可能エネルギーの大幅導入を目指して、固定価格買取制度が開始された。太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマスの再生可能エネルギー源を用いて、経済産業大臣の認定を受けた設備により発電された電気を電気事業者が買取る制度である。買取費用は電気利用者から徴収した賦課金を充てる。2012年度のバイオマスにおける調達価格は、リサイクル木材が13.65円/kWh、一般廃棄物が17.85円/kWh、一般木材が25.2円/kWh、未利用木材が33.6円/kWh、メタン発酵ガス化が40.95円/kWh、調達期間はいずれも20年と定められた。調達価格、調達期間は毎年見直される予定である。一方で、再生可能エネルギー普及のため、制度の改定や税制優遇が行なわれている。

報告

金沢市西部環境エネルギーセンター運転報告-下水汚泥混焼について-
田所 伸悟*
(*環境技術2部)

(要約)

2012年3月に金沢市西部環境エネルギーセンター(以下「本センター」という)が竣工した。本センターでは、既存の施設にて1982年より下水汚泥の混焼を行ってきたが、汚泥搬送設備、焼却炉あるいは投入ホッパーへの汚泥投入部において様々なトラブルを経験してきた。今回の新設備においては、これらの経験を踏まえた設計とすると共に、低位発熱量約10MJ/kgと安定した乾燥汚泥(含水率45%)をごみと混焼することで、より安定した焼却処理(性能試験では、炉出口ガス温度は日平均約920℃で運転)を行っている。また、設計当初懸念された、ばいじん、NOX、SOX濃度についても下水汚泥と混焼した場合と混焼しない場合の比較試験を行ったが、顕著な差異は生じないことを確認した。

ひたちなか・東海クリーンセンター運転報告
別枝 宏平*
(*環境技術2部)

(要約)

2012年4月に、ひたちなか・東海クリーンセンターが竣工した。

本施設ではごみを焼却した際の廃熱を利用して発電を行っており、その電力を利用してプラズマ式灰溶融炉で焼却灰を溶融処理している。本施設の計画にあたっては、年間買電量を最大限削減することを主眼として、運転計画および灰溶融炉の容量を決定した。焼却炉2炉同時運転期間に合わせて灰溶融炉を間欠運転することにより、連続運転する場合の15%まで買電量を削減する計画としており、容量増加によるイニシャルコストの増加分を差し引いても20年間の電力売買による収益が2.9倍となる想定である。実運転の結果から、計画通りに灰溶融炉を間欠運転して買電量削減効果を発揮していることが確認できた。

浜松市南部清掃工場改修工事
大川 雅広*・田宝 直樹*
(*環境技術2部)

(要約)

本工事は長年の運転により老朽化したごみ焼却処理設備の機能を回復させ、安定した運転を継続させるとともに、既存の発電設備の能力を増強することで売電量を増やして維持管理経費を削減することを目的に2009年9月より工事着手し、2012年3月に竣工した。改修工事にあたっては、工事期間中もごみ焼却処理を継続するため1炉毎に改修工事を行う手法とした。改修後の発電設備は、定格出力で安定的に運転できることを確認した。

災害ごみ焼却仮設プラント
熊谷 淳一*・松本 暁洋*・竹口 英樹*・内山 典人*
(*環境技術1部)

(要約)

東日本大震災の被災地域における早期の災害復興のためには、地震や津波により発生した膨大な量の災害廃棄物処理が不可欠となる。

本稿では、岩手県庁殿より2011年9月に建設工事および運営業務を受注した宮古地区内仮設焼却炉における設計経緯と運転状況を中心に報告する。

本プラントの規模は47.5ton/日×2炉=95ton/日であり、燃焼機として固定床式水冷ストーカーを採用した。短納期であることや、災害廃棄物の性状に関する情報不足など、様々な制約があったものの、2012年3月の性能試験において設計通りの処理能力および排ガス・焼却灰に関する各種規制値を満足することを確認し、運営業務を開始した。

バガス燃焼発電ボイラ運転報告
中江 穣*・山下 雅英*・向井 圭司*
(*エネルギー技術1部)

(要約)

サトウキビを原料に製糖を行う製糖工場では、サトウキビをせん断し、糖分を搾り取った後の残りかす(バガス、以下バガスと記す)をボイラの燃料として利用し、ボイラより発生する燃焼熱を利用し、工場内に必要な熱源及び電力を賄い製糖を行っている。今回バガス燃焼ボイラを納入した久米島製糖(株)殿では、既設ボイラの老朽化によるボイラ更新計画を機に、燃料供給・灰出し作業の自動化およびボイラの高効率化により、肥料として価値のある余剰バガスの増加を目的として新規ボイラを導入した。本プラントの性能試験においては、計画通りの熱電供給能力を発揮することを確認するとともに、排ガスの公害規制値も満足することを確認した。また、排ガス中の酸素濃度は5.1%(乾き)、ボイラ効率は85.6%と低空気比燃焼によるボイラ高効率運転を達成した。この結果、余剰バガスは従来に比べて増加した。

製紙系バイオマス焼却プラントの試運転報告
向井 圭司*・畑木 貴之*・片岡 憲治*
(*エネルギー技術1部)

(要約)

弊社は事業所内から排出される製紙系廃棄物を階段式ストーカー炉で焼却処理し、その燃焼排ガスから自然循環ボイラで熱回収を行う設備を、レンゴー(株)利根川事業所殿に納入した。本プラントは厳しい排ガス規制値を満足させるために、バグフィルターおよび脱硫の機能を持った液分散型の湿式ガス洗浄装置を装備している。また、発生する焼却灰は破砕機や振動篩によって整粒し、積極的にリサイクルできるように計画するなど、環境に十分に配慮したプラントである。本稿では本プラントの概要および試運転結果について報告する。

温室効果ガス削減対策としての階段式ストーカー汚泥焼却システム
株丹 直樹*
(*水処理技術部)

(要約)

近年、下水処理場から発生する温室効果ガスの削減が課題となっており、その24%が汚泥焼却施設からのN2Oである。国土交通省が発行した「下水道における地球温暖化防止推進計画策定の手引き」では、汚泥焼却炉の燃焼温度を800℃から850℃に高温化することでN2Oを60%削減できるとしている。本稿では、弊社が納入した階段式ストーカ-汚泥焼却システム(以下ストーカー炉)の運転状況報告とN2O排出量を他の燃焼方式と比較することで、ストーカー炉を温室効果ガス削減対策に関し有効な焼却炉として紹介する。

ストーカー式焼却炉の炉内火炎挙動の観察
山崎 裕貴*・井藤 宗親*・林 潤**・赤松 史光**
(*技術開発部、
**大阪大学大学院工学研究科)

(要約)

ストーカー式焼却炉の炉内燃焼挙動を把握するために、小型試験炉を用いた木屑燃焼試験をおこない、二次空気ノズル近傍を測定対象として、数値シミュレーションによる炉内のガス流れ解析、高速度カメラを用いた火炎構造の撮影、二色法による温度計測および炉内の拡散火炎を対象としたラジカル自発光計測を試みた。火炎画像から二次空気を吹込んだ場合は、単位体積当たりの火炎面積が増大し、燃焼反応が促進されていることを確認できた。また、二色法温度計測では、応答性が早い温度情報を得ることができ、燃焼状態の違いを相対的に把握できる可能性が示唆された。一方、炉内の拡散火炎からはOHラジカルの自発光は確認できなかった。

トピックス

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海外視察

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