(要約)
沼上資源循環センター(以下本センター)は、ごみの資源化、減容化を図り、資源循環型社会に適合した中間処理施設(リサイクルプラザ)として建設された。本センターの施設規模は160ton/5hで、不燃・粗大ごみ資源化施設、ペットボトル資源化施設、スラグ資源化施設より構成されている。不燃・粗大ごみ資源化施設は100ton/5hの規模を有し、可燃物、不燃物、鉄、アルミの4種に分別するが、特に火災対策に留意し、CO濃度計による火災の早期発見の強化を図っている。また、スラグ資源化施設では、隣接する灰溶融施設から搬出される溶融スラグの粒度調整を行い、建設資材(アスファルト混合物等)として有効利用を図っている。
(要約)
廃棄物焼却炉のように低融点で付着性の高いダストを含む燃焼排ガスから熱回収する廃熱ボイラでは、伝熱管表面に付着するダストによる熱回収効率の低下を抑制し、安定稼動させるためダスト除去装置が必要である。ダスト除去装置にはいろいろな種類があるが、吊り下げ型の伝熱管のダスト除去に用いるハンマリング装置のように、蒸気等を使用せず、管に衝撃、振動を与えることによりダストを除去する水平設置の管群用のダスト除去装置を考案した。新たなダスト除去装置を実機エコノマイザーに導入して検証を行い、熱回収効率を改善でき、装置の耐久性や加熱管への影響についても問題がないことを確認した。
(要約)
2010年度に「木質およびRPFを用いたガス化およびガス精製ならびに液体燃料合成試験業務」を(独)国立環境研究所殿から受託した。本試験業務では、木質およびRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)試料をガス化、ガス精製した後に液体燃料(メタノール)を合成するプロセスにおいて、各条件におけるガス化特性およびタール挙動や原料の違いによる生成メタノール性状への影響を確認した。試験の結果、ガス化特性は炭素転換率91~99%、冷ガス効率59~66%であり、ガス化空気比を大きくした条件ではタール濃度が低くなる傾向が確認された。また、原料種によるメタノール性状への影響は見られなかった。
(要約)
近年、化学物質による環境汚染は、科学技術の進歩とともに終息に向かうようにみえたが、その一方で新たに温室効果ガスによる地球温暖化、放射性物質等の問題が生まれ、環境汚染は後を絶たない。そのような状況の中、環境分析はこれらの汚染状況を「見える化」するためになくてはならない技術である。本稿では環境分析分野の業務に関連するダイオキシン類、大気、悪臭、水質、廃棄物、アスベスト、放射能などの分析技術を中心に解説し、さらにリサイクル関連試験、物性試験、微量分析なども加え、分析上の注意点および最新の分析の動向を報告する。