(要約)
都市ごみ焼却灰の溶融炉において、焼却灰とスラグの化学組成および軟化点、溶融点、溶流点は、溶融炉の運転やスラグを有効利用する上で重要な因子となる。そこで、既納入施設において焼却灰とスラグを約1年間採取し、化学組成および軟化点、溶融点、溶流点の変動について調査した。その結果、焼却灰およびスラグの化学組成は、主成分であるSiO2とCaOの変動が大きく、SiO2が増加するとCaOが減少し、逆にSiO2が減少するとCaOが増加し、両者に相関があることが判明した。また、軟化点、溶融点、溶流点では軟化点、溶融点に比べ、溶融温度の目安となる溶流点が大きく変動することが明らかになった。この溶流点の変動は塩基度(CaO/SiO2)と関係があり、塩基度が低くなると溶流点が高くなる傾向が見られた。
(要約)
半導体製造現場では、クリーンルーム内で発生するppbやpptレベルの極微量化学物質ですら製造環境の汚染をもたらし、製品の歩留まり低下や性能劣化の直接的な原因となることから、その解決が大きな課題となっている。
このような背景から、半導体業界では、製造ラインのケミカル汚染対策として、クリーンルームの空調システムにケミカルフィルタを導入し、雰囲気の清浄度の向上を目指す半導体メーカーが増加している。
そこで、当社では、極微量な化学汚染物質を高効率で除去し、超クリーン空気を供給できるケミカルフィルタ(PURATEXエアフィルタ)を開発し、販売してきた。
本研究では、クリーンルームの汚染物質として、特に問題視されているボロンを除去対象物質として、PURATEXエアフィルタによるボロンの除去作用は、フィルタの素材であるポリビニルアルコール繊維がボロンを吸着することによることが判明した。
(要約)
近年、汚泥などの有機性廃棄物の発生量が年々増加の一途をたどっており、処理コストの増大、処理場および最終処分場の確保などの問題が深刻化しつつある。コンポスト化とは、汚泥などの有機性廃棄物を好気性発酵することで水と二酸化炭素に分解し、堆肥化させることである。でき上がったコンポストは、土壌に還元するため、有効利用を実現する環境にやさしい技術である。
そこで、われわれは、発酵に必要としている酸素量のみを供給する間欠通気制御システムとコンテナ型一次発酵槽を組み合わせた間欠通気制御式コンテナ型コンポストシステムについて、ドイツより技術導入を行い、国内においてもその適用性を確認している。本システムは、従来のシステムより簡便で、効果的に発酵を進行させることが可能なコンポスト化プラントである。今回、下水汚泥を対象にしたコンポスト化について報告する。本システムによって、優れた一次発酵性を示し、均質で良質なコンポストが生産できることを確認できた。
(要約)
自動車工場から排出される廃棄物には10種以上にも及ぶ種類があり、これをすべて自社内で処理するための焼却炉を設置することが望まれる。弊社では、自動車工場向け焼却炉では過去にキルン、ストーカ炉の納入実績がある。また、自動車工場以外には15プラントに及ぶ流動層の納入実績があるが、自動車工場向に流動炉としての納入実績がなかった。今回、日産ディーゼル工業株式会社上尾工場殿に廃棄物焼却用流動層を納入した。その納入実績をここに紹介する。
(要約)
し尿処理分野において、当社が営業活動を再開したのちの、第1号プラントを上浮穴郡生活環境事務組合殿へ納入してから1年6ヵ月が経過した。当施設は「高負荷脱窒素処理+UF膜」を主体とするもので、1990年11月から1年余りに渡って裾花衛生センター内実証プラントにおいて得られた、全国都市清掃会議のNo.15評価書の技術(タクマサーカムシステム)に基づくものである。
初体験のプラントにおいて、納入後の運転性能の把握、確認は、その後の同種の計画・設計業務での指針を見直し、確定する意味で欠かすことのできない大切な作業である。当施設についても竣工引渡し以降、運転状況についての追跡調査が続けられており、その内容の一部をここに報告する。
(要約)
タクマがスイス・リザルト社より技術導入した複合材リサイクル技術について報告する。
本システムは乾式でありまた熱処理、化学処理を含まない。対象物は前処理後独特の構造を持つ剥離機に投入され素材別に剥離され、同時に各々の物理的性質の違いによって違った形状をとる。例えば金属類は造粒され、PEフィルムはフレーク状になる。次段の選別工程では、素材毎に違う形状を利用し、風力選別機、粒度選別機、比重差選別機の組み合わせによって選別する。
実験プラントを設置してテストを行っている。例として銅張基板端材や銅線スクラップからの銅の回収例を紹介する。
(要約)
近年、オゾン層破壊および地球温暖化が重大な問題となっており、冷凍空調分野では冷媒の非フロンが迫られている。そのため地球環境にやさしい吸収冷凍機、特にアンモニア吸収冷凍機に関心が寄せられている。本書では、アンモニア吸収冷凍機の歴史、物性、作動原理、経済性、関連法規ならびに機器の構成など一般的な説明し、今後の商品化の方向性を述べている。