CONTACT
TOP
技術情報 TECHNOLOGY

技術情報TECHNOLOGY

タクマ技報 VOL.5 NO.1(1997年06月発行)

表紙写真:狭山市第二環境センター
タクマ技報 VOL.5 NO.1(1997年06月発行)

巻頭論説

資源・エネルギーと環境 -雑感

解説

ごみ焼却プラントのダイオキシン類削減対策
手島 肇
(経営企画本部 企画部)

(要約)

本年1月に厚生省より通知された「ごみ焼却に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」、いわゆる新ガイドラインで、やっと日本も0.1ng-TEQ/Nm3の時代に入った。1983年の新聞報道以来、当社では多大な研究費を投入しダイオキシン類の低減対策技術の開発に取り組んできた。燃焼改善、間欠運転炉の低減対策、排ガス処理、灰処理などのテーマで、多くの成果をあげている。本稿では、ごみ焼却とダイオキシン類の関わりから、当社における技術開発の経過を総合的にまとめてみた。

焼却残渣の処理技術と課題
西垣 正秀
(技術開発部)

(要約)

都市ごみ焼却は一般廃棄物処理の中心であるが、最終処分場の逼迫およびダイオキシン類の排出抑制等の点から、焼却残渣の処理・処分、リサイクル技術は今後の重要な課題である。本稿では、廃棄物の処理の現状と法的な整備状況および焼却残渣処理技術の現状と課題について述べ、リサイクルまたは処分に際しての有害性の評価試験方法と問題点を紹介している。さらに、焼却残渣の処理物の有効利用技術の開発状況および利用状況と、今後の地球環境保全と残渣の最終処分までを見込んだごみ焼却システムのあり方と課題について解説している。

報告

有害廃棄物の焼却処理技術
篠原 武*・西垣 正秀*・川井 美久*・玉出 善紀**・鮫島 良二*
(*技術開発本部 技術開発部、**プラント計画本部環境技術部)

(要約)

1992年7月に改正廃棄物処理法が施行され、新たに有害性を有する廃棄物が「特別管理廃棄物」として指定された。しかし、未だその指定に含まれていない有害廃棄物も存在し、今後特別管理廃棄物に指定されると考えられるが、処理の基準または方法が確立されていないものが多く、それらの確立を必要とされている。

本研究は、廃棄物研究財団主催の「有害廃棄物対策研究」(1991年度より5ヶ年事業)の一環として行ったものであり、廃溶剤、廃油、廃フロンおよび冷蔵庫シュレッダーダストの焼却による熱分解特性を把握するために、パイロット焼却プラント(後燃焼ストーカ付ロータリーキルン)による焼却処理実験を行った。

実験の結果、適正空気比での完全燃焼を行い、燃焼室出口温度、滞留時間を適切に設定すれば、高い分解効率で焼却処理が行え、UNEPの提案するODS(オゾン層破壊物質)破壊技術に対する認定基準もクリアーすることができた。

プラズマ溶融炉における焼却灰・飛灰の溶融
加藤 考太郎・鮫島 良二・吉井 隆裕・蔵内 良仁
(技術開発本部技術開発部)

(要約)

ごみ焼却にともない排出される焼却残渣(焼却灰、飛灰)を高温で溶融し、スラグとして得る溶融固化法は、焼却残渣の無害化、減量・減溶化に有効である。当社は燃料式の表面溶融炉で多くの実績を持っているが、ごみ発電の電力を利用する電気式の溶融炉として、プラズマ溶融実証炉を建設し、開発を進めてきた。

実験では溶融炉の安定運転と溶融生成物の無害化を立証すると共に溶融に際しての灰の成分の挙動を調査することを目的とした。実験の結果、得られたスラグからの重金属類等の溶出は、埋立基準および土壌基準を満足し、ダイオキシン類も検出限界(0.004ng/g at 2,3,7,8-T4CDD)以下のものであった。また、溶融炉内の還元雰囲気により鉄や銅の酸化物は還元され、スラグと分離してメタルとして炉底に堆積するが、これもスラグと同様に有害重金属類等の溶出がなく、ダイオキシン類も検出限界以下のものである。一方、溶融飛灰はPb、Zn等の有価金属を高濃度で含むため、リサイクルを目指す必要がある。また、溶融炉内は還元雰囲気のためNOxは通常10ppm未満とほとんど検出されることはないが、乾式の消石灰吹込みガス処理を行っている飛灰を溶融すると、塩化水素と硫黄酸化物の発生量が増加した。

EGT社ガスタービン・DLE燃焼器の開発
吉田 邦夫・池田 広司
(機械技術部第1課)

(要約)

European Gas Turbines社(EGT社)がDLE(Dry Low Emission:希薄燃焼)燃焼器を開発し、オランダの化学会社に納入したTYPHOON型ガスタービンのコージェネレーションプラントにDLE燃焼器を取付け、運転時間が8,000時間以上(1996年7月現在)を達成したことを報告するとともにDLE燃焼器について紹介する。

プラズマ脱臭装置の概要と処理性能について
前田 洋輔
(中央研究所 開発部)

(要約)

従来、小容量、低レベルの臭気処理では吸着法が広く使用されていた。しかしながら吸着法は臭気成分の変動が大きい場合には吸着剤の飽和時期の判断が難しく、臭気が処理されないまま施設外へ排出されることもあった。このため吸着脱臭法に対し不満をもっているユーザーも少なくはなかった。筆者らは長期的に安定した処理を行うことができる省力、省エネルギータイプの脱臭装置の開発を目的としコールドプラズマを利用した臭気処理技術の確立を目指した。本報告ではプラズマ脱臭装置の概要とその処理性能について述べる。

雑感・ヨーロッパ滞在記 -リュース・リサイクル、廃棄物処理、そして教育文化-

学会報告

DIOXIN '96/欧州廃棄物事情調査団に参加して
第7回 国際廃棄物会議(7th ISWA International Congress)
第6回 国際静電気学会でのPPCP研究発表
国際腐食学会に参加して

新製品紹介

上浮穴環境衛生センター し尿処理施設
FRP製タンクのユニフロサンドフィルタ開発

特許・実用新案紹介

技術論文社外発表一覧

CONTACT

お問い合わせ